視力低下?ブルーライトが身体に及ぼす悪影響

ブルーライトとは?
スマートフォンが普及しだしてから「ブルーライト」という単語をよく耳にします。
スマートフォンの画面保護用のフィルムに「ブルーライトカット効果」があるものが発売されたり、健康番組では「寝る前のスマートフォンの利用は安眠の妨げになる」と紹介されていたり、何となく体に悪影響のあるものという認識ではないでしょうか。
最近では「ブルーライトカット眼鏡」が販売されていることもあり、特に目に悪いという印象をお持ちだと思いますが、ブルーライトとはいったいどんなものなのでしょうか?
ブルーライトとは可視光線
「可視光線」とは文字通り人が目で視ることができる光のこと。
私たちが普段目にする光は、様々な波長の光が混ざり合い白く見えていますが、その光をプリズムを用い波長の長さごとに分離すると、それぞれ違った色に見えます。
色の変化は連続的なものなので文化によって分類は変わりますが、日本では可視光線の色のを7つに区分し、波長の短い方から「紫→青→水色→緑→黄色→オレンジ→赤」と定義しています。
可視光線の中で1番短い波長の光である「紫」より波長が短いものを「紫外線」、1番長い波長の光である「赤」より波長が長いものが「赤外線」と呼びます。
「ブルーライト」は可視光線のうちの波長が380nm~500nmで青く見える光を指します。
ブルーライトは高エネルギー
ブルーライトは紫に見える光とまとめて「高エネルギー可視光線」と呼ばれています。
名前の通り非常にエネルギーが強く、特に400nm~500nmの波長の光を浴びて光化学的に引き起こされた網膜損傷のことを「青色光網膜傷害」と呼びます。
ブルーライトが引き起こす健康問題
眼病
ブルーライトカット眼鏡が販売されていることからもわかる通り、ブルーライトは目に大きな影響を及ぼします。
先ほども述べた通りブルーライトはエネルギーが強く、角膜などで吸収されずに網膜にまで到達、盲目の中心部にある「黄斑」に損傷を与えます。
これにより「黄斑変性症」を発症するリスクが高まります。
「黄斑変性症」の症状
- 視界のゆがみ
- 視力低下
- 視界中心部の暗点
- 色覚異常
現在黄斑変性症を完治させる方法はなく、進行を遅らせたりする程度の治療しか望めません。
最悪の場合は失明してしまうこともあるそうです。
睡眠障害
健康番組などで「寝る間際のスマートフォン使用は安眠の妨げになる」「安眠の妨げはブルーライトによるもの」と紹介されているのを観たことはありませんか?
人類は長い間太陽光で1日の体内時間を調整してきました。
夜暗くなると脳は睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌量を増やします。
メラトニンによって脈拍・体温・血圧などが低下し、入眠の準備が整ったことが体に伝えられ、質のいい睡眠をとることができます。
反対に太陽光を浴びるとメラトニンの分泌量が抑制され、体が活発に活動できるようになります。
メラトニンの分泌量は、太陽光に含まれている460nm~480nmの波長の光によって抑制されます。
ブルーライトの波長が380nm~500nmなので、至近距離で浴びることになるスマートフォンを寝る間際まで使用していると、深い眠りにつくことができません。
予防方法
ブルーライトを防ぐ一番の予防策は、PC・スマートフォンのの画面の明るさを暗くして、暖色系の光に設定することだと思いますが、それ以外にも方法はあります。
- ブルーライトをカットできるアプリをダウンロードする
- PC・スマートフォンにブルーライトカットフィルムを貼る
- ブルーライトカット眼鏡をかける(度がないものも売っています)
フィルムを一度画面に貼り付けてしまうと、見え辛いページがあっても簡単にはがすことができません。
眼鏡も、ブルーライトをカットするにはイエローやブラウン系の色がついたものでないと効果が薄く、そういったカラー付き眼鏡を利用した場合、視界のすべての色が変化してしまい非常に見え辛くなります。
PC・スマートフォンに備え付けられている機能なら無料で利用できるうえ手動で簡単に設定変更できますので、あまりお金をかけたくないのであればこれだけで十分だと思います。