【仕事】自分の間違いに気づくために必要なこと【ビジネス】
人は間違う生き物です。
仕事でミスをしてしまうこともあります。
しかし、間違いに気づくことで成長できます。
今回は、自分の間違いに気づくために必要なことを紹介します。
人が間違う理由
人が判断を間違う理由については、多くの意見があります。
今回は、ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」をもとに考えていきます。
具体例
まずは、具体例を挙げてみます。
Q:バットとボールの合計金額は1ドル10セントで、バットはボールよりも1ドル高いです。ボールの値段はいくらですか?
この問いに対して、10セントと即答してしまう人は多くいます。
実際に、ハーバード大学の学生でも半数以上が、10セントと答えています。
正解は5セントです。
このような単純な問題であっても、人は間違えてしまいます。
なぜ単純な問題でも間違えてしまうのでしょうか。
それは、速い思考(システム1)で判断するからです。
システム1
システム1は、意識せずに脳が動き、答えを出す思考です。
下記のような特徴があります。
- 無意識の推論(直感、想像力、潜在意識)
- 考えることに努力がほぼ不要
- バイアスがある
- 自動的に働く
ほとんどの場合、システム1を用いて判断します。
状況によっては、正確に物事を捉えて、正しい判断ができます。
例えば、火事が起きた時に外に逃げるという行為は、システム1によって判断しています。
直感的に危険を避けるために、素早い判断が必要になる時は、非常に有効と言えます。
しかし、じっくりと考えてもよい場面でもシステム1が働き、意識せずに素早く判断し、間違えてしまうのです。
システム1における判断では、認知バイアスの影響を受け、間違いが多くなります。
認知バイアス
認知バイアスとは、自分の思い込みや周囲の環境などの要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象です。
例えば、自信過剰バイアスがあります。
自信がある人は、具体例で挙げたバットとボールの問題が簡単であるために、計算せずに即座に答えてしまいます。
自信がある人ほど、思い込みにより間違った判断をします。
自分の間違いに気づくために必要なこと
具体例で挙げたバットとボールの問題は、もう一度じっくりと考えれば簡単に解けるはずです。
自分の間違いに気づくためには、遅い思考(システム2)を働かせます。
システム2
システム2は、意識して脳を動かし、答えを出す思考です。
下記のような特徴があります。
- 意識的推論
- 考えることに注意力が必要
- 論理的思考
- 意思決定権はシステム2にある
具体例で挙げたバットとボールの問題に10セントと答えた人は、速い思考が働いたと考えられます。
1度遅い思考で考え直すことで、速い思考の誤りを正し、正解できたはずです。
システム2は、労力をほとんど使わない状態で待機しています。
集中を必要とし、常時システム2を働かせると脳に大きな負担がかかるためです。
また、判断に時間がかかるため、危険な場面では役に立ちません。
日常生活では、システム1が優位な状態にあり、意識してシステム2を働かせます。
自分の間違いに気づくには、下記の2つが重要です。
- 慌てて判断しない
人はゆっくりと考えてよい場面でも、システム1が働きます。
そのため、人は早く答えを出してしまいます。
この時に、直感的な判断を無条件に信用せずに、じっくりと考えると間違いに気づけます。
例:具体例で挙げたバットとボールの問題を解く時に、直感的に思いついた答えを数式を使って確かめる。 -
改めて考えてみる
自分の判断を時間が経ってから、もう一度考えてみるのもよいです。
自分の行動を振り返ると、間違いに気づきます。
例:前日に思いついたアイディアを考え直してみる。
まとめ
今回は、自分の間違いに気づくために必要なことを紹介しました。
人は、日常生活の中で直感に従った判断が多く、間違いを犯します。
自分の間違いに気づくためにも、熟考した上での行動と振り返りが大切です。
この記事を参考に、遅い思考を働かせる癖をつけてみてはいかがでしょうか。