【仕事】自分の間違いに気づくために必要なこと【ビジネス】

公開:2021年06月24日

人は間違う生き物です。
仕事でミスをしてしまうこともあります。
しかし、間違いに気づくことで成長できます。
今回は、自分の間違いに気づくために必要なことを紹介します。

人が間違う理由

人が判断を間違う理由については、多くの意見があります。
今回は、ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」をもとに考えていきます。

具体例

まずは、具体例を挙げてみます。

Q:バットとボールの合計金額は1ドル10セントで、バットはボールよりも1ドル高いです。ボールの値段はいくらですか?

この問いに対して、10セントと即答してしまう人は多くいます。
実際に、ハーバード大学の学生でも半数以上が、10セントと答えています。

正解は5セントです。
このような単純な問題であっても、人は間違えてしまいます。

なぜ単純な問題でも間違えてしまうのでしょうか。
それは、速い思考(システム1)で判断するからです。

システム1

システム1は、意識せずに脳が動き、答えを出す思考です。
下記のような特徴があります。

  • 無意識の推論(直感、想像力、潜在意識)
  • 考えることに努力がほぼ不要
  • バイアスがある
  • 自動的に働く

ほとんどの場合、システム1を用いて判断します。
状況によっては、正確に物事を捉えて、正しい判断ができます。
例えば、火事が起きた時に外に逃げるという行為は、システム1によって判断しています。
直感的に危険を避けるために、素早い判断が必要になる時は、非常に有効と言えます。

しかし、じっくりと考えてもよい場面でもシステム1が働き、意識せずに素早く判断し、間違えてしまうのです。
システム1における判断では、認知バイアスの影響を受け、間違いが多くなります。

認知バイアス

認知バイアスとは、自分の思い込みや周囲の環境などの要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象です。

例えば、自信過剰バイアスがあります。
自信がある人は、具体例で挙げたバットとボールの問題が簡単であるために、計算せずに即座に答えてしまいます。
自信がある人ほど、思い込みにより間違った判断をします。

自分の間違いに気づくために必要なこと

具体例で挙げたバットとボールの問題は、もう一度じっくりと考えれば簡単に解けるはずです。
自分の間違いに気づくためには、遅い思考(システム2)を働かせます。

システム2

システム2は、意識して脳を動かし、答えを出す思考です。
下記のような特徴があります。

  • 意識的推論
  • 考えることに注意力が必要
  • 論理的思考
  • 意思決定権はシステム2にある

具体例で挙げたバットとボールの問題に10セントと答えた人は、速い思考が働いたと考えられます。
1度遅い思考で考え直すことで、速い思考の誤りを正し、正解できたはずです。

システム2は、労力をほとんど使わない状態で待機しています。
集中を必要とし、常時システム2を働かせると脳に大きな負担がかかるためです。
また、判断に時間がかかるため、危険な場面では役に立ちません。
日常生活では、システム1が優位な状態にあり、意識してシステム2を働かせます。

自分の間違いに気づくには、下記の2つが重要です。

  • 慌てて判断しない
    人はゆっくりと考えてよい場面でも、システム1が働きます。
    そのため、人は早く答えを出してしまいます。
    この時に、直感的な判断を無条件に信用せずに、じっくりと考えると間違いに気づけます。
    例:具体例で挙げたバットとボールの問題を解く時に、直感的に思いついた答えを数式を使って確かめる。

  • 改めて考えてみる
    自分の判断を時間が経ってから、もう一度考えてみるのもよいです。
    自分の行動を振り返ると、間違いに気づきます。
    例:前日に思いついたアイディアを考え直してみる。

まとめ

今回は、自分の間違いに気づくために必要なことを紹介しました。
人は、日常生活の中で直感に従った判断が多く、間違いを犯します。
自分の間違いに気づくためにも、熟考した上での行動と振り返りが大切です。
この記事を参考に、遅い思考を働かせる癖をつけてみてはいかがでしょうか。

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