【初心者向け】フォントの特徴と、用途に合ったフォント選び

公開:2021年01月26日

みなさんは文字を表現する「フォント」に注意を向けているでしょうか。会議で使う資料やレポートをまとめるとき、広告チラシを作るときなど、あちこちでフォントは利用されています。
もし、なんとなく選んでいたら、もったいないことをしています。

フォントは数えきれないほどの種類がありますが、大まかにいくつか分類できます。そして、用途ごとの向き不向きが存在します。
物事をより伝わりやすくするために、知っておくと役立つポイントを紹介します。

セリフ体とサンセリフ体の違い

フォントは大きく分けると「セリフ体」と「サンセリフ体」の二つに分類されます。

セリフ体」は和文フォントでいう「明朝体」です。
サンセリフ体」は和文フォントでいう「ゴシック体」です。

セリフ体

セリフ体は、文字の端に飾りのついたフォントです。

Century

Rockwell

MS 明朝

セリフ体はフォーマルな印象を与えます。
会議で使う資料の本文や、レポート文に向いています。また、線の細いスタイルが多く、装飾により強弱がついています。そのため可読性が高く長文に向いています。

サンセリフ体

サンセリフ体は、一定の太さを保ったフォントです。
セリフ体にある、とめやはねといった飾りがほとんどありません。

Arial

Gill Sans

モリサワ 新ゴ

サンセリフ体はカジュアルな印象を与え、親しみをもたれやすいです。
また、インパクトが強いので可視性が高く文章の見出しや、プレゼン時に使うスライドなどに向いています。

フォントの使い分け

読む文字編

レポートや資料といった、「読む文字」には「ゴシック体」より「明朝体」が向いています。太く、はっきりとした輪郭のフォントは、読むのに疲れてしまいます。

しかし、「長文はすべて明朝体で、ゴシック体は使ってはいけない」という訳ではありません。下記の画像のように、太い明朝体や細いゴシック体もあります。

この場合は、「太い明朝体」より「細いゴシック体」の方が、可読性が高いです。
モダンな印象を与えたいときは、ゴシック体で表現すると効果的です。

こういった特徴は、「セリフ体」と「サンセリフ体」にもあります。

見る文字編

見出しや広告のポップといった、「見る文字」には「明朝体」より「ゴシック体」が向いています。
細く、繊細なフォントは、目立ち辛いという特徴を持っています。

しかし、明朝体が雰囲気に合っている、という場合もあります。
その場合は、太めの明朝体を選ぶと目を引きやすく可視性が高まります。

和風な印象を与えたいときは、明朝体で表現すると効果的です。

プロポーショナルフォント

MSゴシック」と「MS Pゴシック」のように、同じ名前のフォント名にPが付いているフォントをご存じでしょうか。

この「P」の付いているフォントは、プロポーショナルフォントです。

また、Pがついていないプロポーショナルフォントも存在します。【例:メイリオ(和文が等幅で、欧文はプロポーショナル)】

プロポーショナルフォントとは「文字によって幅が違うフォント」です。
Pが付いていないフォントは「等幅フォント」と呼ばれ、そのすべてのフォントが同じ幅に設定されています。

プロポーショナルフォントの特徴

二つとも同じフォントサイズですが、幅が違うことがわかるでしょうか。

特に欧文の「i」を見るとわかりやすいです。プロポーショナルフォントであるMS Pゴシックだと、文字の幅が他と違い、とても狭く表示されます。MS ゴシックだと「O」や「n」の幅と同様の幅に設定されています。

プロポーショナルフォントは、自然な間隔を保っているので、可読性が高いです。一方、等幅フォントは、文字同士の間隔が狭かったり広かったりとまちまちです。

日本語は縦書きが主流でしたので、等幅フォントでも違和感はありませんでした。
しかし、横書きが主流のWebで等幅フォントを使うと、不自然な間隔に違和感が生じます。それゆえに、 Web上では、プロポーショナルフォントがよく見られます。

特に、欧文に等幅フォントを使うと、可読性がひどく下がってしまいます。欧文は和文フォント(等幅フォント)を使わないよう心がけましょう。

ユニバーサルデザインフォント

ユニバーサルデザインとは、「年齢や性別、人種、障害の有無に関わらず、出来るだけ多くの人が利用しやすいデザイン」です。

そのデザインを取り入れたフォントが、ユニバーサルデザインフォントです。

「UD デジタル 教科書体」や「BIZ UDPゴシック」のように「UD」の付いているフォントが、ユニバーサルデザインフォント(以降:UDフォント)と呼ばれています。

ユニバーサルデザインフォントの特徴

空白を大きく取り、「Sや8」「3や8」「CやO」といった、似ている文字の判別がつきやすくなっています。

濁点や半濁点を離したり大きくしたりして、見やすくなっています。

装飾が少なく、強弱があまりないデザインになっています。
先端恐怖症など、感覚過敏の人にとっても読みやすいようと考えられています。

「明朝体の教科書や小説を読むのが苦手だったが、UDフォントに変えたところ、すらすらと読めるようになった」
「学習障害などで文字を読むのが難しいと感じる児童が、UDフォントだと認識しやすくなった」
といった効果があります。

まとめ

フォントの種類と、それぞれの向き不向きを紹介しました。

  • 可読性
    セリフ体・明朝体
  • 可視性
    サンセリフ体・ゴシック体
  • 判別性
    ユニバーサルデザインフォント

といった特徴があります。

しかし、「明朝体は苦手だがゴシック体だと長文が読める」という人もいれば、「UDフォントより明朝体の方が読みやすい」という人もいます。それぞれが読みやすいフォントで文字と向き合えるようになれば、文字への苦手意識が減るのではないでしょうか。

最後に、フォントは様々な印象を人々に与えます。普段何気なく選択していたフォントに、すこしでも注意を向けたとき、よりよいコンテンツを作れるかもしれません。

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