セルフマネジメントの悩みを解決!メタ認知について
「勉強をするつもりが、ついついYouTubeを見てしまった」「イライラして、思わず声を荒げてしまった」こんな経験はありませんか。
実は、これらの悩みはメタ認知を鍛えることで解決します。
この記事では、ビジネスで使えるメタ認知の解説とトレーニング方法を解説します。
メタ認知を鍛えて、できるビジネスパーソンを目指しましょう。
メタ認知とは
メタとは
メタ認知の意味を説明する前に、メタ(Meta)の意味を説明します。
メタ(Meta)は「超える」や「高次」を意味する、ギリシャ語由来の接頭語です。
メタを使った言葉に、メタ分析(meta-analysis)という言葉があります。
これは、”複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること”と定義されています。
他にも、メタ言語(meta-language)という言葉があります。
これは辞書では”ある言語について論じるために用いられる言語”と定義されています。
ある言語を定義するためには、その言語より高次な言語が必要になります。
例えば、あるプログラミング言語を日本語の教科書で学んだ場合、メタ言語は日本語となります。
メタ認知とは
認知とはどんな意味か考えたことはありますか。
認知(cognition)とは、心理学用語で、“知識を得る働き、すなわち知覚・記憶・推論・問題解決などの知的活動を総称する”と定義されています。
要するに、人が何かを認識したときに、記憶したり、何かの行動に結びつける心の働きを認知と呼びます。
それでは、メタ認知(Meta-cognition)とはなんでしょうか。
つまり、通常の認知活動をもう一段高いレベル(メタ)からとらえた認知活動を指します。
もう一人の自分が幽体離脱して、自分自身を俯瞰するようなイメージです。
下図のように、「勉強がしたくない」という気持ちを、「そもそも、勉強したくない理由は何なのか」という疑問に立ち返って考えることがメタ認知です。
このように、メタ思考ができる人は、自分を客観視し、自己を律する能力を身に着けることができます。
メタ認知のメリット
ストレスに強くなる
私たちは、日々の生活で様々なストレスにさらされています。
特にビジネスの場面では、顧客や上司などに性格が合わない人がいる場合でも、良好な関係を維持し続けなければなりません。
こんなストレス社会であるからこそ、メタ認知を鍛えて、ストレスに強いメンタル作りをしましょう。
上司から、理不尽なことで怒られている場面を例に挙げて考えましょう。
機嫌が悪い時に、八つ当たりをしてくる上司に対してあなたはイライラしています。
そんな時に、メタの視点から自分の感情を客観視してみましょう。
「そういえば、上司も部長に怒られていたな。上司もストレスを感じているに違いない。」
といった具合に、感情を抑えることができます。
逆に、メタ認知ができていない人の場合、一時の感情に身を任せて失言をしてしまい、事態を悪化させかねません。
コミュニケーション能力が上がる
私たちが生きていく中で、他人とコミュニケーションをとることは、不可欠です。
そのため、多くの会社では、従業員に求める能力として、コミュニケーション能力が重要視されています。
コミュニケーションとは、双方向の情報伝達を意味します。つまり、情報を伝える力と情報を受け取る力がコミュニケーション能力です。
メタ認知力の高い人は、より高い視点から物事を見つめなおすことができるため、物事の上位の目的を考えることができます。
例えば、「パソコンを新調してほしい」と頼まれたら、「なぜ、新しいパソコンが必要なのか」「今より高い性能が必要に違いない」と考えることができます。
メタ認知力の低い人の場合は、言葉通りに受け取り、全く同じ型のパソコンを新品で購入してしまうかもしれません。
メタ認知を鍛えるには
メタ認知のトレーニングは、モニタリングとコントロールという2つの工程に分かれています。
モニタリングでは、自分の認知活動の監視を行います。普段、無意識で行っている行動や、思考を改めて見返すことで、自分の思考の癖が明らかになります。
自分を客観視して、自分の思考の癖などを修正していく作業です。
コントロールは、モニタリングで得た情報をもとに、目標を立て、それを実行します。
「勉強したくない」という感情に対して、「なぜ勉強したくないのか」という疑問に立ち返って考えることが、モニタリングです。
そして、「将来、この勉強が役に立つイメージを考えよう」と、モニタリングで得た情報から目標を立てることがコントロールです。
具体的には、自分の感情や不安をノートに書き込む方法があります。
今の自分の頭にあることをすべてノートに書きだしていきます。
そして、ノートを見返し分析することで、思考の癖を明らかにし、それらを修正して目標を再設定することができます。
まとめ
この記事では、メタ認知を鍛えることで得られるメリットとトレーニング方法を解説しました。
メタ認知を鍛えることで、様々な物事を、高い視点から客観視できるようになり、自己管理力やストレスに強くなります。
さらに、上位の目的を考えることによりコミュニケーション能力の向上が見込まれます。
ビジネス以外でもメリットの多いメタ認知。興味がある方はさらに勉強してみましょう。