デキるビジネスパーソンならPREP(結理事結)!説得力ある話し方とは
一般的に、「『起承転結』で話を構成するように」と学校では指導されます。しかし、スピードが求められるビジネスシーンではPREP法という異なる話し方が理想とされます。PREP法とは何なのか、どうしてそれが求められるのか、そして起承転結型の話し方との違いについて、解説します。
この記事の目次
PREPはビジネスパーソンが覚えておきたい考え方
結論(Point)・理由(Reason)・事例(Example)・結論(Point)の頭文字を取った、PREP(プレップ・結理事結)と呼ばれる話し方があります。
この話し方では、最初に結論を伝えることが重要です。短いトークの中で、こちらが考えていることを端的に伝えられるメリットがあります。
ビジネスパーソンは、商談や事務処理など、日々の仕事の中で時間が限られており、できるだけ簡潔に情報を得たいと考えている人が少なくありません。
そうした相手に聞いてもらいやすいのがPREPなのです。
最初に結論、理由・事例はそのあとに
PREPで重要なのは、最初に結論が来ることです。
本来、すべての物事には原因があって、その結果としての結論があるため、時系列順に並べると結論が後ろに来ます。
また、日本語では「~なので、こうなりました」という言い方をするように、理由を先に述べたくなるものです。
しかし、忙しい人ほど「どうなったか」「どうしたいか」の部分を先に聞きたいと感じるでしょう。
「そもそもこの話を詳細に聞く必要があるか」「どこに重点を置いて理解しながら聞くべきか」という判断をしたいからです。
なので、PREP法では、まずは結論を述べ、そのあとで理由と補足情報を伝えます。
そして、最後に改めて結論を言い直すことで、相手にこちらの主張の意図が誤って伝わらないように配慮します。
起承転結との違い
起承転結では、物事が起こった経緯の順番に話します。
報告書など、経緯から正確に把握しておかなくてはいけない場面では、時系列通りの説明が効果的と言えるでしょう。
しかし、上司への業務報告など短い時間で相手に状態把握・情報伝達をしようと考えるのであれば、あまり適切な手段ではありません。
また、PREP法と比較した際のデメリットとして、相手に説明すべき内容が簡潔にまとめにくく、情報の抜け漏れが発生してしまうリスクが高まる、という点があります。
起承転結は「最初に問題・課題があり、それを解決するための道のりを説明する」という形式に近くなります。
そのため、話全体が長くなりやすく、何を言っていて何を言っていないかの整理が、自分の中でもうまくつけられなくなる可能性があります。
どちらがいい場面かはその時の判断で
PREPはビジネスシーンで有用なトークスキルではありますが、万能というわけではありません。短い言葉で状況を説明できてしまう分、情やユーモラスな部分は表現しにくくなります。
日々の雑談や、商談前のちょっとしたアイドリングトークでは、PREPよりも起承転結型のほうが話しやすいでしょう。
2つの話の展開方法をマスターして、ビジネスをより円滑に動かしましょう。
PREP・起承転結を使った話し方の例
PREPを使うほうが好ましい例
(例1)
この説明の仕方は確かに丁寧ですし、開発秘話のようで、感情面では理解しやすいかもしれません。
しかし、目の前にいきなり何なのか分からない商品サンプル3つを並べられた取引先の担当者は、困惑してしまうでしょう。
また、3つのサンプルの柔軟性が違うことまでは伝えらえていますが、具体的にどう違うのかについて、この説明だけでは分かりません。
こういう場面ではPREPを使ってシンプルに伝えたほうが望ましいと言えます。
(例2)
こうすると、「持ってきた3種類の試作サンプルに対して担当者がどう考えるかの意見を聞きたい」という自分の考えが最初に伝えられます。
同時に、担当者も頭の中を整理した状態で話を聞いてくれます。
さらに、起承転結型では抜けてしまった「3種類のサンプルの違い」を説明できています。
起承転結型を使うほうが好ましい例
一方で、雑談ではPREPが必ずしも適切ではない、という事例をご紹介します。
(例3)
(例4)
このようにPREP型で雑談してしまうと、最初に話のオチが来てしまいます。
『桃太郎』のように結論自体が現実離れしている内容であれば、「それってどういうこと?」と相手を引きつけられるかもしれません。
しかし、一般的な雑談では、オチが分かっている話をいつまでも聞かされ続けるのは、必ずしも楽しいものではないと言えるでしょう。
PREPで伝えたいことを明確に
PREPは、最初に結論から話し始めることで、相手の理解を促進する効果が期待できる話し方です。
短い時間で高い説得力のあるトークが可能なため、ぜひとも覚えておきたいテクニックです。また、ビジネスシーンで「結局何が言いたいの?」と言われてしまう人は、PREPがうまく使えていないのかもしれません。
こうした方は、言いたいことを「結論」「理由」「事例(結論や理由を補足する具体的な例)」の3つに切り分けて話を組み立てる練習をするといいでしょう。