働き方改革の第一歩!「テレワーク」導入のデメリットとその解決策
全国的に緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルスは、落ち着いてきているかのようにみえます。
一方で、新型コロナウイルスが及ぼした影響により、今までの働き方に対して、大きな見直しが行われています。
テレワークや労働時間の短縮、会議など密接になるような状況を減らす、といった変化がみられます。
なかでも、テレワークは世界においても注目され、アフターコロナ対策として継続する会社が増加しています。
しかし、テレワークにはデメリットがあることも事実です。
なかには、「デメリットが多いし、対面のコミュニケーションがあってこそ会社である」と、テレワークを嫌がる管理者もいるのではないでしょうか。
そこで、導入するにあたってのデメリットと、その解決策を説明します。
新型コロナウイルスが落ち着いてきている今こそ、テレワークへの理解を深め、「働き方改革」を考えていきましょう。
この記事の目次
テレワークのデメリット:個人(社員)編
まずは、社員にとってのデメリットとその改善方法をいくつか紹介します。
運動不足になる
その時間を活用して、業務効率のアップが期待できますが、その反面、家から一歩も出ない日が続くと、どうしても運動不足になってしまいます。
改善方法
ストレッチ用具を仕事部屋に置く
ずっと同じ体勢でいると肩が凝ったり、腰が痛くなってしまいます。
そこで、座っている椅子をバランスボールに替えたり、足元にストレッチ用具を置くことで、仕事をしながらストレッチができます。
また、腰痛対策などに小型マッサージ機を置いて、仕事をするのもいいかもしれません。
オンラインラジオ体操をする
「一人だと体操もストレッチも続かない…」
という人には、オンラインラジオ体操がおすすめです。
リモート会議と同じように、会社の人と一緒に体操することで、モチベーションを高めることができるかもしれません。
孤独を感じる
そういった環境がとても集中できるという人もいますが、しばらくこの状態が続くと、孤独を感じてしまいがちです。
改善方法
積極的にチャットや情報共有を行う
積極的にチャットやリモート会議を行うことで、人との会話の場を設けることができます。
オフィスの環境音を流す
静かな自宅だと集中できない人は、オフィスの環境音を流してみてはいかがでしょうか。
例えば、コピー機を稼働している音、コーヒーを入れている音、キーボードを叩く音。
他の人がいる気分になると、程よい緊張感をもち、集中力が高まります。
– おすすめサイト –
IMissTheOffice
「オフィスにいる気分になれる」このサイトは、ページを開いているだけで、時折、オフィスの環境音を流してくれます。下図の画面右下にある「+」「-」でアイコンを増やすことができます。
Calm Office
下図の画面真ん中のスライダーで、それぞれの音量を変えることができるので、苦手な環境音はオフにして流すことが可能です。
スケジュール管理の重要性が高まる
「仕事と休憩の区別ができず、業務態度にメリハリがつかない」
「仕事に没頭しても、止める人がいないため、ずっと仕事をしてしまう」
など、思いあたる節がある人は要注意です。
改善方法
仕事をするときは、きちっと着替える
気持ちの切り替えは、とても大事なことです。
朝、目が覚めて仕事をする前に、出勤する気持ちで着替えて、しっかりと気持ちを切り替えましょう。
タイムトラッキング (時間管理) ツールを利用する
“業務時間を記録する”ことによって、“どの業務にどれくらいの時間がかかるか”を把握でき、“業務効率の改善”につながります。
自分でこまめに記録をとることはとても大変ですが、タイムトラッキングツールを利用すると、とても楽に管理ができます。
Chromeの拡張機能やアプリなど、便利なツールがたくさんあるので、自分に合ったものを探してみてはいかがでしょうか。
テレワークのデメリット:会社(管理者)編
次に、管理者にとってのデメリットとその改善方法をいくつか紹介します。
セキュリティリスクが高くなる
社員が社外で仕事をすることになるので、
「持ち帰ったパソコンなどを紛失し、情報漏洩につながってしまった」
「仕事をしている画面を覗き見されて、社外秘の内容が漏れてしまった」
など、セキュリティリスクは高まってしまいます。
改善方法
社員の情報セキュリティ教育を行う
セキュリティソフトやVPNといった技術面を高めても、社員の情報セキュリティ教育を行わないと、会社のセキュリティレベルは低いままになってしまいます。
会社で規則をしっかりと定めた上で、社員全員がきちんと理解できる教育を行いましょう。
おまかせデータレスPCを利用する
セキュリティ対策として、様々なソフトウェアやレンタルPCがあります。
その中でおすすめなサービスは、『NTT東日本』が提供するPCレンタルサービス【おまかせデータレスPC】です。
これは、
「ユーザーがアクセスできる保存領域が、すべてクラウドに直結されているパソコン」
です。
保存したデータはすべてクラウドに保存されるため、パソコン内部にはデータが残りません。
その結果、物理的に情報を抜き取ることが不可能なシステムになっています。
さらに、セットアップ済みのパソコンを利用できるので、利用者はユーザーアカウントでログインするだけです。
なお、【おまかせデータレスPC】には、”Microsoft office 365 business”や”ウイルス対策アプリ”がセットアップされていることも大きな魅力です。
評価方法が曖昧になる
一般的な評価方法として、“プロセス”、“勤務態度”、“業務の成果”などが挙げられます。
一方、テレワークでは、“プロセス”と“勤務態度”の評価が難しくなるので、評価方法は“業務の成果”に偏ってしまいます。
そのような状況になると、社員がどのような方法で評価されるのか分からず、不安を感じてしまいます。
また、評価基準が定まっていないと、上司によって、評価方法が変わってしまうこともあるかもしれません。
これによって、会社と社員との間で意識の違いが発生する可能性があります。
改善方法
プロセスについてアピールの機会を設ける
会社の事情に合わせて、プロセスと成果の評価比率をどうするか、はっきりと基準を決めておきましょう。
成果が出せなかった部下に、「なぜ成果が出せなかったのか」や「何に悩んでいたのか」、「どのように解決しようとしているのか」をアピールしてもらいます。
それにより、上司は、部下のプロセスの詳細を知ることができ、尚且つ、部下の成長にもつながります。
モニタリングツールを導入する
こまめに労働時間や、現在の業務状況の報告をさせることで、会社は社員の現況を把握することができます。社員も適度な緊張感を持てるので、だらけることなく仕事が出来るでしょう。
しかし、過度に監視をすると、かえってストレスを感じ、生産性が落ちてしまう人もいるかもしれません。
社員のメンタル面を考慮しつつ、導入することが大切です。
また、労働時間の管理の為に、勤怠管理システムを利用するのも評価の補助となります。
部下のマネジメントがしにくい
ですが、テレワークでは同じ空間で仕事をする、という訳ではないので、現場の雰囲気が伝わりづらくなってしまいます。
改善方法
会議(ミーティング)の回数を増やす
会議の数を増やすと、必然的にマネジメントの場は増えます。
しかし、長い会議をただ増やしても、気が緩み、中身の薄い会議になってしまいます。
そこで、短時間で情報共有ができる短めの会議を増やしましょう。
1on1会議の実施する
1on1会議とは、上司と部下が定期的に行う個人面談のことです。
テレワークではチャットツールを利用して、1on1会議を行いましょう。
自宅での個人面談なので、他の人に聞かれることもなく、社員は今まで話せなかったことなども気兼ねなく話すことができます。
また、部下の成長と同時に、上司のマネジメント能力も向上します。
テレワークのデメリット:会社全体編
最後に、会社全体にとってのデメリットとその改善方法をいくつか紹介します。
コミュニケーションが不足する
たしかに、対面で行うコミュニケーションの効力はとても高いです。
そういった対面コミュニケーションがとれないことが、テレワークの大きな欠点と思う会社も少なくないのではないでしょうか。
改善方法
カメラ会議システムを活用する
コミュニケーションをとるためには、リアルタイムで意思疎通ができるツールは欠かせません。
カメラ会議などで、顔を見て連絡をとると、同じ場所にいるような一体感を得られることでしょう。
フランクなチャットの場を設ける
いくらチャットを利用しても、堅苦しい雰囲気だと使いづらく感じてしまいます。
たとえば、チャットツールで雑談用チャンネルをつくります。
そこでは、ペットの話や趣味の話、最近あった何気ない話といった雑談をすることで、仮想オフィスを体感できます。
また、チャットだけではなく、雑談専用の通話も有効です。
もちろん、強制せず、参加したい人が自由に出入りできるようにしましょう。
さらに、スタンプやアイコン機能を多めに使い、チャットを送りやすいフランクな雰囲気にすることも大切です。
緊急時の対応が遅れる
しかし、テレワークだと当事者に伝えることから始まるので、オフィスワークよりも対応が遅れてしまいます。
改善方法
現在の自分の状況をはっきりさせる
ほとんどのコミュニケーションツールには、現在の自分の状況を表示する機能があります。
離席中や取り込み中、対応可能など相手に自分の状況が分かるよう、こまめに表示を変更することを心がけましょう。
緊急用のチャンネルを作成する
チャットがきても、忙しいなどの理由から返信を後回しにしてしまうことがあるかもしれません。
それを防ぐために、緊急用のチャンネルを作り、通知が来たときは、迅速に確認をするなどの社内ルールを決めておきましょう。
それぞれのテレワークの環境設営にコストがかかる
- ネット環境に依存する
テレワークにおいて、ネット環境は必要不可欠です。
ネット環境があれば、どこでも働けることがテレワークの強みですが、ネット環境がなければ何もできません。
また、回線状況によって音声が聞こえづらかったり、更新ができなくなることもあります。 - 業務機材の性能で、効率に影響がでてしまう
「パソコンを貸与されたが、モニターが小さく、業務がしづらい」
「椅子や机が業務向きではない」
など、環境によって、業務効率が悪くなってしまうこともあります。 - カメラ通話でのタイムラグが発生する
カメラ通話をしているとき、音声と映像のタイムラグによる意思の食い違いが発生してしまうこともあります。
改善方法
ポケットwi-fiを貸与することにより、不安定なネット環境下の人もテレワークが可能になります。
また、セキュリティが確証されていないフリーwi-fiへのアクセスを禁止し、貸与のポケットwi-fiで繋げることでセキュリティを高めることもできます。
社員に貸与するのはコストがかかりますが、会社側にとってはセキュリティ面を大幅に上げるメリットがあります。
デメリットを理解し、改善した先にある、これからの会社体制
この通り、テレワークにはデメリットがいくつもあります。
しかし、デメリットを嫌厭したり、慣れないことを先送りにせず、デメリットを理解して、少しずつ改善策を考えていきましょう。
これが、多くの会社でテレワークを導入している理由ではないでしょうか。
テレワークのメリット
- 緊急時でも通常通りの業務ができる
災害や人災などの緊急事態で自宅待機になっても、在宅勤務が可能なら、いつも通りの業務が行えます。 - コストの軽減ができる
初期コストはかかりますが、導入後には、コストの削減ができます。
出社をしないので、オフィスの光熱費・交通費が抑えられます。 - 産休や育休、介護などでも自宅で業務ができる
出勤しなければいけない会社体制だと、家庭事情で離職せざるを得ない場合もあります。
しかし、在宅勤務が可能なら、離職しなくて済むので、会社も新たな採用に掛ける人件費を抑えることができます。 - 雇用の幅が広がる
人前に出ることに対して精神的苦痛を感じる人、事故、病気によって通勤することが難しい人も、雇用することができます。
さらに、勤務地から離れて暮らしている人の雇用も可能になります。
テレワークを導入するまで、解決すべき課題はありますが、乗り越えた先に待っている、緊急事態にも対応できる臨機応変な会社づくりを目指してみてはいかがでしょうか。