文章も画像も、何でも作れるAI。|自動生成AIの「いま」を知ろう!
「AI(人工知能)」は、ここ数年の間に著しく進歩してきました。
今まで人間にしかできない(取って代わることのない)と言われてきたことが、
AIでも普通にできる時代になりました。
今回は、新たなAI技術の中でも、話題の「自動生成AI」に着目した内容です。
自動生成AIは、人間の「クリエイティブ活動」をAIが代替するようなイメージです。
自動生成AIについての解説、用途の例を紹介します。
また、自動生成AIのサービスを利用する際の注意点、向き合い方についても解説します!
この記事の目次
自動生成AIとは
自動生成AI(別名:生成系AI)は、膨大なデータから分析・認識を行うだけの従来型AIとは少し異なります。
画像・音声・テキスト等のデータから、新たな作品を生成できる新しいタイプのAIです。
作業スピードが段違いに速いので、人間のクリエイティブ活動のサポート役として期待されています。
次章からは、自動生成AIの具体的な活用例を取り上げていきます。
画像生成AI
画像生成AIとは?
画像生成AIは、テキストや画像データを入力するだけで、自動的に画像を生成・加工するAIです。
主に、画像編集やデザイン制作などに活用されています。
無料デザインツール「Canva」内の機能を用いて、画像生成AIの紹介をします!
画像生成AIの例を紹介!
例えば、空の画像に対して「飛行機」と入力すると、「空を飛ぶ飛行機」の画像が生成可能です。今回は、この例を基に紹介を進めます。
①「空」の画像を用意します。(写真でもイラストでも可)
②自動生成AIに該当するCanvaの新機能、「Magic Edit」を使います。変更したい範囲を選択すると、何を生成したいのか問われるので、「飛行機」と入力します。
③キーワード入力後に生成を開始して、10秒程度で以下のような画像を生成します。
AIはありとあらゆる画像データを学習し、それに基づいて画像生成をしています。
既存の画像をそのまま使っている訳ではないので、「飛行機に主翼が無い」等の違和感がありますね。
しかし、「全く飛行機に見えない」ことはなく、本物の写真と大差ないレベルの完成度に仕上がっています。
先ほどは、背景(空)に合うようなキーワード(飛行機)を選択しました。
しかし、実際はどんなキーワードでもAIが対応して自動生成します。
例えば、「空を飛ぶペンギン」のような非現実的なシーンも、AIの手にかかればお手の物です!
やはり少し違和感はありますが、「ペンギンだったらこう飛ぶだろうな」というイメージに合致した画像に仕上がっていますね。
画像生成AIは、自分の作りたい(加工したい)画像のテーマに沿ったキーワードを入力すると自動的に生成する、実用的でもあり娯楽性のある機能です。
使う際の注意点
ただ、使う際には注意すべき点もあります。
個人的に制作を楽しむ範囲であれば問題ありませんが、作品を世に公開する場合(個人利用の範疇にとどまらない場合)は著作権問題に気を付ける必要があります。
先ほども述べたように、AIは既存の「データ」を学習して画像生成をしています。その「データ」には、人間が作成した著作物が含まれている可能性があります。AIが画像生成の際に、著作権で保護されている作品を無許可で学習に利用した場合は、著作権侵害になります。
これらの注意点は、以降に紹介する生成系AIにおいても同様です。生成の際に用いられるデータには「著作物が含まれている可能性があること」を、忘れないようにしましょう。
また、(AIへの)指示の仕方によっては「人種・性別に対する固定観念や偏見」など、不適切な結果が出るケースもあるので、その点においても注意が必要です。
※今回使ったのは、Canva Pty, Ltdで提供しているグラフィックデザインツール「Canva」です。
Canvaの公式サイト
イラスト生成AI
イラスト生成AIは、画像生成AIと同系列の生成系AIです。
こちらも、テキスト入力でイラストが自動生成される仕組みです。
(イラスト生成に限らず、)キーワードは複数入力できるため、その組み合わせ次第で限りないパターンの制作物を生成できます!
イラスト生成AIの例として、「Bing Image Creator」を使って紹介します。
キーワードは、「カラフル・人・イラスト」に指定しました。(複数のキーワード入力の際は、1文字分の空白を開けます。)入力して「作成」を開始すると、10~20秒程度でいくつかのイラストを提案されます。
指定のキーワードに沿った、4枚のイラストが生成されました。
ここで、再度「作成」を開始すると、違うパターンのイラストが出力されます。
思い通りにいかない、生成したイラストがイメージと違っていた場合は、再度キーワードを変更して作成し直せます。
今度は、「カラフル・人・アート」の条件で生成します。
先ほどのイラストと違い、今回は「絵画・アート」らしさを感じますね。
このように、キーワードを少し変えるだけで、全く新しい作品を次々に生成できます。
※今回使ったのは、DALL・Eが提供している「Bing Image Creator」です。
Bing Image Creatorの公式サイト
自然言語生成AI
自然言語生成AIとは?
自然言語生成AIは、人間が普段使っている言葉(自然言語)を生成できるAIです。
私たち人間の自然言語の入力に対して、AIは同じく自然言語の出力で返答するイメージです。
つまり、人間同士で対話する感覚でAIに質問ができます。
ChatGPT
自然言語生成AIの例として、近頃話題の対話型AI 「ChatGPT」が挙げられます。
通常の検索機能に比べて、自分の疑問(質問)に沿った回答が得やすく非常に便利な機能です。
知りたい・求めている回答結果ではなかったとしても、再度質問できるので、その点も魅力的です。
また、文章の添削やキーワード入力に基づく文章生成もできます。
実際に、ChatGPTの使用例を紹介します!
ChatGPTを使ってみる
「Chat(=対話)GPT」という名の通り、SNSのDM(ダイレクトメッセージ)や「LINE」などのチャットサービスを連想させる画面構成となっています。
赤枠で囲ったエリアは、文字入力欄です。誰かにメッセージを送る感覚で、AIに質問ができます。
今回は、英文の添削を依頼します。
例として、「I am go to tokyo tommorow.」という(ミスのある)英文を提示します。
質問する際は、英文を入力するだけでなく、「添削して欲しい」旨を伝えるようにしましょう。
ChatGPTは「対話型AI」であり、ただの添削ツールではありません。
英文のみを入力すると、文法的に間違いだとしてもAIはその間違いを修正して、普通のメッセージとして受け取ります。この1文から、AIは「明日あなた(英語を話す質問者)は東京へ行く」と認識(推測)しました。
AIが英語で「東京にまつわるアドバイスや注意点」を提案したのは、それが原因でした。
言葉足らずで相手の誤解を招いてしまうのも、人間同士の会話らしいですね。
このように、「添削してください」の一言を添えるだけでしっかりと添削・修正してくれます。目的に応じて「何をして欲しいのか」を相手(AI)に伝える、それがChatGPT(対話型AI)を使う際のポイントになります。
※今回使ったのは、OpenAIで提供している人工知能チャットボット「ChatGPT」です。
ChatGPTはこちら
音声・音楽生成AI
音声生成AIとは?
音声生成AIは、入力した音声データを基に新しい音声データの出力を行うAIです。
数秒程度の音声サンプルを入力するだけで、その音声の特徴を学習して再現できます。
また、出力音声も従来の「機械音声」特有の不自然なイントネーション・アクセントではなく、人間の音声と大差ないレベルの完成度に仕上がっています。
この技術は、ナレーションやアナウンス等の音声発信、または文章読み上げ等に活用されています。
AIの性能向上に伴い音声生成の質・精度もさらに高まり、より多くの場面で活用されていくことでしょう。
音声生成AIの普及による注意点・懸念事項として、詐欺や誘拐事件に悪用される恐れがあります。
生成した音声は非常にリアルであるため、偽の音声であることに気付きにくいのです。
実際に悪用され、事件に繋がったケースもある為、気を付ける必要があります。
AIが作曲?「音楽生成AI」について
AIも作曲をする時代になりました。「音楽生成AI」について、少し紹介します。
音楽生成AIとは、テキスト(キーワード)入力に基づいて音楽を自動生成するAIです。
1から新しい音楽を生み出す他に、既存の楽曲を参考にしたアレンジ等ができます。
AIは音楽について幅広く学習しているので、様々な作曲・音楽的な知識を備えています。
初心者・プロ問わず、作曲活動のサポート役として、これからの時代に重宝するのではないでしょうか。
おわりに
自動生成AIについての紹介・解説は以上です。
最後に、簡単な(本記事の)振り返りをします。
今やAIは、画像・文章だけでなく、音声や楽曲をも生成できるレベルに進化しているのです。
AIは、人間よりも作業を格段に速くこなすことができるので、
これからは人間の「クリエイティブ活動」のサポート役を担っていくことでしょう。
自動生成AIを利用するにあたって、使い方への注意も必要です。
軽はずみな利用で、思わぬ事態(著作権侵害、フェイク画像問題、詐欺など)に陥る可能性があります。
使い方に注意しながら、今まで成し得なかった「新しいクリエイティブ活動」を楽しみましょう!