【知っておきたい】電子書籍と紙の書籍の使い分け
近年、急速にペーパーレス化が進んでいます。各種電子書籍のサービスも充実してきました。電子書籍と紙の書籍、どちらを使うべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回はそれらの使い分けについて紹介します。
二つを上手く使い分け、両方のメリットを享受できるようになりましょう。
この記事の目次
電子書籍,紙媒体のメリット、デメリット
電子書籍
電子書籍とは文庫本や漫画、雑誌をデジタル化し、パソコンやタブレット、スマートフォンの画面上で読めるようにしたもののことを言います。日本では携帯電話の普及とともに電子書籍サービスが拡充されました。
電子書籍はまだまだ発展途上の分野です。今回紹介するデメリットが今後、改善される可能性は大いにあります。
〇電子書籍のメリット
大量の本を持ち運べる、選べる
電子書籍はストレージが許す限り、大量の本を一気に持ち運べます。
最新のiPhoneのストレージ容量が128GBです。仮に20GB分を、電子書籍に使う場合、漫画ならおよそ350冊、文字データのみの小説なら1万冊以上を持ち運ぶことができます。
またクラウド上に保存することができるため、Wi-Fiがある環境なら、いくらでもその場で本を選べます。
紙のように劣化しない
電子書籍は紙のように、経年劣化しません。
液晶が劣化しない限り、ページはいつまでも新品同様です。紙の本のように虫が湧くことや、黄ばむことはありません。
拡大・縮小表示ができる
電子書籍はページの拡大、縮小表示ができます。
図版が小さくて見づらい場合、拡大して読み取ることができます。
メモやアンダーラインを躊躇なく書き込める
メモ機能がある電子書籍は、書き込みを間違えても後から書き直すことができるため、躊躇なくメモやアンダーラインを引けます。
また一部のサービスでは何人がページのどの部分にアンダーラインを引いたかなどを確認でき(※1)、多くの人がどこを重要と感じたのかを知れます。
※1 Android版Kindleアプリ、Kindle for Androidの機能
✕電子書籍のデメリット
価格が紙媒体とほとんど変わらない
電子書籍の多くは価格が紙媒体とほとんど変わりません。AmazonのKindleのようなアプリケーションの作成にはお金がかかります。また、紙の書籍を電子化し電子書籍で読みやすくするための作業も必要です。
また、紙媒体より大幅な値下げを行うと、本屋がつぶれてしまうため、簡単に安くはできないという事情があります。
読み終えた本を売れない
電子書籍は、読み終えた本を売れません。将来、買った本が絶版になり、骨とう品として高く売れるかもしれないというような楽しみが無くなってしまいます。
使っているサービスが終了してしまうことがある
電子書籍は使っているサービスが終了してしまう可能性があります。
サービスが終了後の対応は各社様々で、返金や他サービスへの移行措置などがありました。使い慣れたサービスから他サービスへの移行は面倒です。
ページの行き来が紙ほどスムーズに行かない
索引やもくじへの移動が紙ほどスムーズに行きません。
中には、もくじや索引をタップするとそのページに移動できるような機能が付いているものもあります。
しかし、多くの電子書籍は紙の書籍をスキャンし電子化したものがほとんどなのでそういう機能が付いているコンテンツは少ないです。
また使う端末によって、使用感が大きく異なります。
ブラウザのAmazon Kindlを例に見てみます。パソコン版だとクリックかスクロールでページをめくらなければいけません。
ブルーライトによる目、睡眠への影響
電子機器の液晶モニターから発せられるブルーライトは目を疲れさせます。また、ブルーライトは太陽光の中にも含まれています。ブルーライトを長時間浴びると体内時計が狂い、睡眠に悪影響を及ぼします。
紙の書籍
紙自体に情報を記すのは紀元前から行われていました。1445年にドイツのヨハネス・グーテンベルグが活版印刷を発明して以降、紙の書籍が庶民にも広く広まるようになります。
〇紙の書籍のメリット
ページの移動が容易
ページの移動が容易です。索引やもくじに戻る作業が、電子書籍と比べ遥かに楽です。
- ページの残量が視覚的、触覚的にわかる
残り何ページかが視覚的にも触覚的にもわかります。どれくらいで読み終えるか、残りの内容がどれくらいなのかの予想がしやすいです。
古本がある
古本があり、新品と内容が全く同じものを格安で入手できます。
✕紙の書籍のデメリット
物理的なスペースを取る
紙の書籍はスペースを取ります。特に数十冊以上の長編漫画や小説は本棚を覆いつくしてしまいます。また、持ち運びにも手間がかかります。
一度汚してしまうと元には戻らない
当然ですが紙の書籍は、汚してしまうと元に戻りません。電子書籍の場合は、アカウント情報さえ記録していれば、端末を取り換えることによっていつまでも新品同様の状態で本を読むことができます。
使い分け
ここまで、電子書籍と紙の書籍のメリット、デメリットについて紹介してきました。それを踏まえたうえで電子書籍、紙の書籍の使い分けを紹介します。
電子書籍は、漫画や写真集や雑誌などの娯楽用コンテンツを利用するのに適しています。
漫画は一冊で終わらないことが多く、作品によっては何十巻と続くことがあります。週刊誌や月刊誌も、長期間購読するとスペースを取り、いずれ手放す必要があります。電子書籍ならいつまでもアカウントに紐づけ保存できます。
また、写真集は拡大、縮小表示ができる電子書籍を使うと読書体験が向上します。
紙の書籍は、ビジネス書や参考書などのコンテンツを利用するのに適しています。
紙の書籍は、情報を自分にインプットするために用いるのが最適です。紙の書籍はページ移動がスムーズなため、目的の情報に素早くたどり着くことができます。
そして、紙に書かれた文章は、ディスプレイに書かれた文章に比べ、読解しやすいのではないかという研究もされています。
表示媒体が文章理解と記憶に及ぼす影響 ―電子書籍端末と紙媒体の比較
また、液晶から発せられるブルーライトによって目が疲れる心配をしなくても良いです。
臨機応変に使い分ける
小説や漫画などには登場人物の相関関係が非常に複雑なものがあります。そういう作品は、巻頭の登場人物図や相関関係図に戻り何度もそのページを見る必要があります。この場合は電子書籍よりも紙の書籍のほうが読み進めやすいかもしれません。
また、数学やプログラミングの問題集のような、紙やパソコンに自分でアウトプットしながら作業を進めていくタイプの本もあります。分厚い本で、勝手にページが手でめくれてしまわないように押さえつけながら、片手で作業した経験がある方もいるのではないでしょうか。こういう場合は、両手を使って作業できる電子書籍の方が優れています。
ジャンルにこだわるのではなく、本の特性に応じて臨機応変に電子書籍か紙の書籍化を使い分けてください。
まとめ
今回は、電子書籍と紙の書籍の使い分けについて紹介しました。
電子書籍のメリット、デメリットは
電子書籍のメリット
- 大量の本を持ち運べる、選べる
- 紙のように劣化しない
- 拡大・縮小表示ができる
- メモやアンダーラインを躊躇なく書き込める
電子書籍のデメリット
- 価格が紙媒体とほとんど変わらない
- 読み終えた本を売れない
- 使っているサービスが終了してしまうことがある
- ページの行き来が紙ほどスムーズに行かない
- ブルーライトによる目への影響
紙の書籍のメリット、デメリットは
紙の書籍のメリット
- ページの移動が容易
- 古本がある
紙の書籍のデメリット
- 物理的なスペースを取る
- 一度汚してしまうと絶対に元には戻らない
電子書籍が適しているコンテンツは
- 漫画や雑誌、写真集などの娯楽用コンテンツ
紙の書籍が適しているコンテンツは
- ビジネス書や参考書などの何かをインプットし、アウトプットするためのコンテンツ
電子書籍、紙媒体ともにメリット、デメリット、適した場面があります。それぞれのメリットを享受できるように上手に使い分けましょう。