Google SGEが検索効率を大幅改善|業務改善例と利用方法

公開:2023年10月11日

Googleによって新しく開発された検索機能がGoogle SGEです。これは人工知能(AI)を用いて文章化されている検索ワードを解析し、検索結果をより人間の言語に近い形で返してくれる、対話型のAI検索機能です。

Google SGEで出来ること、変わることはどのようなものなのか解説します。

Google SGEとは

Google SGE(以下、SGE)は、人工知能(AI)を用いた新しい検索エンジンです。

SGEはSearch Generative Experienceの略語であり、質問文を投げかけると、自動でAIが回答文を生成して、知りたい情報を教えてくれます。

類似サービスとして、すでに先行して公開されているBingの『チャットAI機能』があります。Bingは、Microsoft Edge(以下、Edge)というWebブラウザに搭載されている検索エンジンです。

以下に、SGEの対話型AI検索機能とBingのチャットAI機能の類似点と相違点を簡単にまとめます。

同様サービスとの類似点、相違点

<類似点>

  • 自動生成AIが質問に対して自然な文章を生成して回答してくれる
  • チャット形式で、回答に対して追加で質問を行える
  • 画像生成も可能
  • 自動生成のため、回答が必ずしも正確でない場合がある

<相違点>

  • 提供している検索エンジンが異なる(EdgeはBing、SGEはGoogle)
  • EdgeはチャットAIと検索が区別されているのに対し、SGEは同一ページでAIへの質問と検索が同時に可能
  • Edgeは日本語にも対応しているが、SGEは英語(アメリカ版アカウント)にしか対応していない(2023年5月時点)

基本的にはどちらも類似するサービスとして、便利に活用できるでしょう。
Edgeを普段使っている人はBingのチャットAIを、Google Chromeの人はSGEをそれぞれ使えるような類似性があります。

ただし、現時点(2023年5月時点)では、SGEはベータテスト期間であり、日本国内での展開が行われていません。

そのためチャットAIを業務に活用したいと考えている方は、当面の間はEdgeのチャットAIを活用することをおすすめします。

日本国内への展開があったときには、それぞれのAIの精度が向上していて、返答の質に関しても有意な差が生じているかもしれません。

Google検索との類似点、相違点

Google検索とSGEは、どちらもGoogleの検索エンジンを利用して、検索者の意図に沿った情報を提供してくれる類似点があります。

一方で、Google検索でも長文での質問は可能ですが、得られる答えは個別のウェブページの中にあります。

検索者は多数のウェブページにそれぞれアクセスして、必要な情報を探さなくてはいけません。その点SGEであれば、ウェブページ内から情報を引用して、回答を自動生成してくれます。

より知りたい情報が短時間で得られるのが、SGEの利点です。

Google Bardとの類似点、相違点

Googleの運用しているAIサービスにGoogle Bard(以下、Bard)があります。

これは、質問文を入力すると、AIが自動で回答文を作成してくれるチャットAI型のサービスです。

どちらもAIを使って質問者が得たい回答を出力してくれる点で類似性がありますが、用いられているAIの言語モデルは異なります(BardはPaLM2のみ、SGEはPaLM2とMUMを組み合わせて使用)。

一方、Bardはあくまで対話型AIであり、検索のソースなどについては出典を明示してもらえないケースがあります。

また、Bardでは画像出力に対応していないという点も、SGEとは異なっています。

Google SGEで期待できる業務改善例、予想される影響は

SGEの活用による業務改善は、「漠然とした検索内容から、より適切な回答を得られる」点にあります。

そこで、以下のようなことが期待できます。

複雑で答えのないような質問にも回答が得られる

就職に際しての面接試験で聞かれる『フェルミ推定』のような質問に対しても、ネット上から情報を集めて、より正確な回答を導き出してくれます。

また、『有名俳優の気持ちになってラブソングを作詞してほしい』というような、荒唐無稽な質問にも、一定の法則をもって返信してくれます。

業務においては、漠然とした「これってなんだっけ?」と思い出せないことを簡単に検索できるようになるのは、非常に便利です。

また、業務に関するアイデアがまったく出てこないときに、AIによる自動文生成からヒントを得られることもあるでしょう。

必要な情報にダイレクトにアクセス

一般的なGoogle検索では、検索後に検索者が複数の情報源にあたって、その中から必要な情報を抜粋して頭で処理する必要がありました。

一方、SGEを使えば、複数の情報源にあたる検索機能をAIが担当してくれるので、検索者は情報の信ぴょう性をチェックするのみで十分となります。

どのようなことがしたいかを検索ウィンドウに入力したうえでサンプルコードの出力を要求すれば、一気に問題が解決することも期待できるので、行き詰ったときにも、AIの力で問題の自力解決が目指せます。

インターネットのSEO対策が変わる可能性も

これまでは、Google検索のシステムからSEO(検索エンジンへの最適化)が重視されてきましたが、SGEは従来のアルゴリズムとは違った方法で各サイトを引用して情報を提供する仕組みになっています。

そのため、従来型のSEO対策では不十分となる可能性が高く、新たにSGE対応の最適化が必要となるかもしれません。

もちろん、SGEの下部には従来通りの検索結果が表示されるので、SEO対策は変わらず求められるでしょう。

Google SGEの利用方法

Google SGEは2023年5月10日に発表された新しい検索エンジンであり、現在はアメリカのGoogleユーザーを対象にベータテスト中です(2023年5月時点)。

英語版のGoogleユーザーはウェイトリストへの申請ができますが、日本語版では未対応です。

アメリカ版のGoogleアカウントを取得したとしても、質問・回答は英語のみな点に注意が必要です。

現時点では日本国内から日本語で利用できず、またリリースの予定日についても公表がないため、今後の展開に注目していきましょう。

Google SGEで業務効率改善を目指そう

SGEは、AIを用いて検索が行えるGoogleの新しいサービスです。

EdgeによるチャットAI検索と類似した使い心地のようですが、検索エンジンがGoogleのものなので、従来Google検索を多用していた人にとっては、同じような操作感で、より効率的に情報が収集できるようになると期待できます。

ソースコードの検索など、様々な疑問の解決をスピーディーにすることで、業務効率を大幅に改善できるかもしれません。

ただし、2023年5月現在はアメリカ版においてのみテストされている段階です。

Google SGEは検索の新常識になるか

EdgeとBingが協力して生み出したチャットAIは、大きな技術革新の一例でした。

しかしながら、EdgeやBingの使用率がそこまで高くなかったことから、SEO対策などに対する影響はそれほど大きなものではありませんでした。

対して Google検索は世界中でシェアを獲得している検索エンジンであり、ここにSGEが組み込まれれば、AIによるテキスト自動生成が検索の新常識となる可能性は大いにあります。

現時点では、日本国内から利用できるユーザーはアメリカ版のユーザー登録をしているごく限られた人のみですが、今後日本語対応版がリリースされる可能性は十分にあります。

日本対応版がリリースされた際は、新技術を駆使して仕事の効率化を図りましょう。

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