【知らないうちに騙される】ステルスマーケティング(ステマ)と見分け方
ステルスマーケティング(ステマ)という言葉を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
ショッピングサイトで何かを買うときに、口コミだけを見て購入するかどうかを決めている人は、ステルスマーケティングの罠にかかっているかもしれません。
今回は、身近に潜むステルスマーケティングとそれらの見分け方について紹介します。
この記事の目次
ステルスマーケティングとは
ステルスマーケティングとは、企業が内密(英語の「Stealth」に由来)に行うマーケティング活動のことを指します。消費者にマーケティング活動と気づかれないようにサービスや商品の宣伝を行います。
アメリカやカナダ、オーストラリアなどの他の先進国ではステルスマーケティングを取りしまる法律があります。
しかし、日本には取りしまるための法律はありません。そのため、企業がステルスマーケティングをしていて、私たちは知らず知らずのうちに騙されている可能性があります。
ステルスマーケティングの事例
インフルエンサーを用いたステルスマーケティング
インフルエンサーに陰で金銭を支払い商品やサービスを宣伝してもらう手法があります。日本では2012年のペニーオークション詐欺騒動が有名です。
ペニーオークションとは入札のたびに手数料が徴収されるシステムのオークションサイトのことです。入札数が増えれば増えるほど、サイト運営者に支払われる手数料が増えます。サイト運営者が不正に落札価格を釣り上げ、手数料をだまし取っていたため逮捕されました。
そのペニーオークションサイトを多くの芸能人がブログで取り上げていた(※1)ためステルスマーケティングが露呈しました。
また、YoutTubeでは動画の端に「この動画にはプロモーションが含みます。」というボタンが出現することがあります。これは企業がYouTuberに対して、依頼を行って制作を行った動画であることを示しています(※2)。
これらはインフルエンサーマーケティングと呼ばれる手法であり、ステルスマーケティングとは異なります。しかし、レビュー系YouTuberに陰で商品と報酬を受け渡し、動画で宣伝してもらうのはステルスマーケティングにあたります。公平なレビューなのかステルスマーケティングなのか見抜くのは難しいです。
レビューサイトや商品レビューにおけるステルスマーケティング
レビューサイトを用いたステルスマーケティングもあります。高評価レビューを書く専門の業者(※3)に依頼し、レビューサイトにおけるランキングや点数を釣り上げるような手法です。
また、店主が客に成りすまし自分の店の高評価レビューを書くのもステルスマーケティングです。
オンラインショッピングサイトでは、消費者がステルスマーケティングに加担してしまうケースがあります。購入者に対して商品送付と同時に「高評価を付ければギフトカード(追加で商品)をもらえる権利に当選」したといったようなカードを送り付け、商品の高評価レビューを書かせるといったような手法です。
「Amazon 当選おめでとうございます」で検索をすると、沢山の事例が確認できます。
※1 実際は落札していないのに「こんなに安く落札できました!」とブログに書いていた。芸能人がステルスマーケティングを認めた。
※2 いわゆる案件動画
※3 「口コミ 代行」で検索すると、それを専門に行う怪しい業者が沢山ヒットします。
ステルスマーケティングの見分け方
ステルスマーケティングを完全に見抜くのは困難ですが、なるべく引っかからないようにする方法はいくつかあります。
商品やサービスレビュー動画は複数見比べる
商品やサービスのレビュー動画は、その評価が個人の意見なのか、それともステルスマーケティングなのかを見極めるのは大変難しいです。
そのため、商品レビュー動画は一つの商品につき何個も見比べることをおすすめします。複数のレビューで、共通する項目を見つけ出すのが大切です。様々な人の目を通して共通している項目は、商品やサービスの実態を映し出しています。
商品(サービス)のレビューで見るべき項目4つ
評価の分布
評価の分布を観察することがレビューサイトを見る上で大切です。評価の分布に極端な偏りがある場合は、サクラ(※4)によって書かれている可能性が高いです。
最高評価が6割、最低評価が4割といったようにレビューに二つの山ができている場合は、高評価が組織的に書かれている可能性があります。
※4 江戸時代の芝居小屋で場を盛り上げてパッといなくなる人に由来すると言われている。現代的には顧客のふりをして、店やサービスを盛り上げようとする人のことを指す。
レビューをしている人
レビュー者が他の商品にどういうレビューをしたか追うことができるサイトが多いです。
高評価レビューをしている人が、どういう人なのか確認できる場合は確認しましょう。GoogleMapのレビューの場合は、他にその人がどういうレビューをしたのか確かめることができます。
そして、Amazonの商品レビューの場合は、レビュー者のユーザー名をクリックすることで他にどういうレビューをしているか確認できます。
レビュー本文の日本語が不自然なものは外国人が翻訳サイトを使って偽レビューを投稿している可能性があります。そういうユーザーを見つけた場合は、他にどういう商品にレビューを投稿しているのかよく観察しましょう。
レビュー日時
同じ日付や同じ時期に高評価レビューが集中している場合は、業者による組織的な書き込みである可能性が高いです。高評価レビューの日付も観察してみましょう。
レビュー本文
レビュー本文に明らかに日本語がおかしいものが無いか確認しましょう。日本で普段使われていないフォントが混ざっている場合は中国語で書かれた文章を、翻訳機を使って日本語にしたサクラのレビューの可能性が高いです。
例:「黒色が良い」→「黑色が良い」
Amazonでの買い物はサクラチェッカーを使用
サクラチェッカーという便利なWebサイトがあります。サクラチェッカーはその名のとおりサクラ(※4)を見抜くためのWebサイトです。
上で述べたような評価の分布やレビュー者、口コミの投稿日時を自動で分析し、その商品のレビューの信憑性を分析してくれます。残念ながら楽天やYahooショッピングなどの他のショッピングサイトには対応していません。
上記URLにアクセスし、Amazonの商品ページのURLをサイト上部の検索バーに入力した後に「Go」をクリックするとサクラ度を分析できます。
今回分析するのはとある格安マウスです。高評価レビューとレビュー数が異様に多かったためサクラチェッカーで分析してもらいました。下の画像はその商品のレビュー分布のスクリーンショットです。
この商品をサクラチェッカーで分析してみた結果がこちらです。
なんとサクラ度99%の最高評価が出てしまいました。
サクラチェッカーの信頼度・信憑性・仕組みについては下記ページで解説されています。
またこのWebサイトでは、サイト下部にスクロールすると、サクラなしの商品のランキングやサクラレビューが多いカテゴリーでの製品人気ランキングがみられます。
商品カテゴリーもAmazonと同様に詳細に分けられているため、非常に使いやすいです。
Amazonで何かを買うときは、サクラチェッカーを使ってみることをおすすめします。
まとめ
今回はステルスマーケティングと見分け方について紹介しました。
ステルスマーケティングとは、消費者にマーケティングだとばれないようにこっそりと行うマーケティング活動のことでした。
また、身近に存在するステルスマーケティングは
- インフルエンサーを用いたステルスマーケティング
- 陰でレビュー者に報酬を渡している高評価レビュー
の2つでした。
これらに対する見分け方は
- レビュー動画は一つの商品につき複数個見る
- 評価の分布や、日本語、レビュー者を観察する
- Amazonで買い物をするときはサクラチェッカーを使う
の3つでした。
ステルスマーケティングはその名のとおりステルスに行われるものなので見極めるのは大変です。大切な買い物をするときや、良い飲食店をインターネット上で探すときは、今回紹介したことを思い出して慎重に見極めてください。