東京パラリンピック開催!「持続可能性」とSDGs
オリンピックに引き続き、パラリンピックが8月24日に開催されました。8月25日から9月5日までの12日間、トップアスリートたちが競い合います。
東京2020パラリンピックの公式サイト
URL: https://sports.nhk.or.jp/paralympic/
この記事の目次
「 Be better, together /より良い未来へ、ともに進もう。」
2020年東京オリンピックならびにパラリンピック競技大会のコンセプトは、
「 Be better, together /より良い未来へ、ともに進もう。」です。
このコンセプトは、オリンピック・パラリンピックを「持続可能性」に配慮した大会にすることを明言する重要なテーマです。
東京2020パラリンピックのテーマは「持続可能性」
「持続可能性」という言葉を初めて聞いた方も多いでしょう。
持続可能性とは、「地球や人類の未来を見据えて、枯渇したり機能を失ったりすることなく長期的に継続できるかどうか」ということです。
なぜ、持続可能性が東京2020オリンピックとパラリンピックのテーマになったのでしょうか?その理由には、国連が2015年に採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」(以下、「SDGs」と呼称)が関係します。
持続開発な開発目標(SDGs)とは?
外務省によると、SDGsは、”「だれ一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現”のために、2015年に作られた目標です。国連の加盟国は、2030年までにSDGsの達成を目指しています。SDGsは、「社会」、「経済」、「環境」の3つの側面を持った17のゴールと169のターゲットから構成されています。
「社会」:貧困や飢餓、教育などの解決
「経済」:雇用や働き方の改善や不平等の解決、包摂的かつ持続可能な経済成長
「環境」:気候変動、海や陸の資源などの改善と解決
外務省のSDGsに関するサイト
URL: https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
パラリンピックならびにオリンピックは、社会、経済、環境などの多方面に国際的な影響力を持っています。そのため、企業をはじめ、一般大衆に対して国連が掲げるSDGsへ貢献する行動を促す効果があるとして、東京オリンピックとパラリンピックでは、「持続可能な社会」のための取り組みを積極的に推進しています。
2020年東京オリンピックの公式サイト「持続可能性」
URL: https://olympics.com/tokyo-2020/ja/games/sustainability/
東京2020大会での持続可能な社会を目指した取り組み
東京2020大会は持続可能な社会を目指し、5つの主要なテーマを掲げています。これらは東京2020大会を契機に、大会運営組織だけでなく、自治体や民間企業、一般家庭でも取り組むよう奨励されています。
東京オリンピック公式サイト「持続可能性」
URL: https://olympics.com/tokyo-2020/ja/paralympics/games/sustainability-para/
1.気候変動:脱炭素社会の実現に向けて、可能な限りの省エネルギーや再生可能エネルギーの利用などを進めていきます。
<主な取り組み>
- 会場の6割は既存の会場を使用することで、会場整備で発生する環境への負荷を軽減する
- 燃料電池自動車を活用する
2.資源管理:3R(リデュース・リユース・リサイクル)を徹底し、資源を一切ムダにしない大会運営を目指します。
<主な取り組み>
- 調達物品のリユース・リサイクル率99%を目指す
- 施設の建設で使用する木材などの再生可能な資源の利用
3.大気・水・緑・植物多様性など:水資源の有効活用や在来の植物による競技会場の緑化などにより、自然共生都市の実現に貢献します。
<主な取り組み>
- 新しい競技会場にろ過装置を導入して水資源の有効利用
4.人権・労働、公正な事業慣行など:大会に関わるすべての人々の人権が尊重された大会を目指し、「ビジネスと人権に関する指導原則」に則った準備・運営を行います。
<主な取り組み>
- 障害の有無などに関わらず、すべての人が会場までアクセスしやすい施設づくり
- ハラスメントや差別を無くし、世界中の多様な人々がお互いを認め合いながら、共に楽しめる大会づくり(ハラスメントなどの禁止協定の強化、ハラスメント行為を懲戒自由として新たに規定など)
- 生活支援ロボットによる観戦のサポート(物品の運搬、観戦席への誘導、車いすの観客の入退場・観戦のサポートなど)
5.参加・協働、情報発信(エンゲージメント):多くの方々の参加・協働により、誰もが主役の開かれた大会を創るとともに、積極的な情報発信により、持続可能性への理解を高めていきます。
<主な取り組み>
- 国際連合・ILOとの連携
- オンラインによる連携大学への出張講座プログラムの実施
まとめ
東京2020大会のコンセプト「持続可能性」とは何かを説明しました。
以下がまとめです。
- 「持続可能性」とは、「地球や人類の未来を見据えて、枯渇したり機能を失ったりすることなく長期的に継続できるかどうか」ということである
- 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」への貢献と寄与を強く意識したテーマである
- オリンピック・パラリンピックの運営組織は、SDGsに貢献する取り組みを積極的に行っている
- 大会運営組織だけでなく、企業や自治体、一般大衆にもSDGsへの取り組みを奨励している
東京オリンピック、パラリンピックは持続可能性をコンセプトとして明記し、 SDGsへの寄与を強く打ち出した大会です。
皆さんも、東京2020大会を良い機会に、SDGsについての理解を深め、自分が出来ることから持続可能な社会へ向けた取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。