【解説】Google Bard(現Gemini)の始め方・使い方

最終更新:2024年02月29日 公開:2024年02月28日

Open AI社のChatGPTが急速に社会に浸透する中、Googleも遂に生成AIのGoogle Bardをリリースしました。
本記事ではGoogle Bardの始め方・使い方を解説し、ChatGPTやBing AIと比較します。

Google Bardとは?

Google Bardは、Googleが開発した生成AIです。2023年02月06日にリリースされ、同年5月11日に正式に日本で使えるようになりました。「Bard」は古代ケルト語の「詩人」に由来し、様々なテキストやコンテンツを生成できることからBardと名づけられました。Bardの大規模言語モデルは「PaLM2(Pathways Language Model)」です。Bard は 18 歳以上でGoogle アカウントか Bard へのアクセスを有効にした Google Workspace アカウントがあれば無料で使えます。

Google Bardの始め方や使い方は?

Google Bardの始め方

Web上で「Bard」と検索します。下図の検索結果の一番上に表示された赤枠のところをクリックします。
もしくは以下のリンクにアクセスしてください。
公式サイト

リンク先のページです。
下図右下の「ログイン」をクリックします。
お持ちのGoogleアカウントでログインしてください。

ログイン後は下図のようなGoogle Bardのトップページに移ります。

Google Bardの使い方

使い方はとても簡単です。上図 Google Bardトップページの赤枠内の入力欄にテキストを入力するだけです。
例として、「最近の出来事を教えて」と聞いてみました。結果は以下の通りです。

Google Bardのトップページの右上の緑枠の「他の回答案を表示」をクリックすると3つの回答案が出てきます。

Google Bardでできること

Google Bardでできる便利な使い道を実例付きで紹介します。

①プログラミング

Google Bardが対応しているプログラミング言語はPython、Java、C++、JavaScript、PHP、Ruby、Swift、Go、Cなどです。

今回はGoogle Bardに「80点以上は合格、80点未満は不合格と表示させるPythonのコードを教えて」と聞いてみました。回答は以下の通りです。

②翻訳

Google Bardは英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語、中国語、日本語、韓国語、イタリア語など133の言語の翻訳に対応しています(2023年8月23日)。

今回はGoogle Bardに海底2万マイルの冒頭の文章を翻訳してもらいました。
指示文と回答は以下の通りです。

③Bardの回答からGmailの新規作成

Google Bardは回答をコピペせずにGmailの新規作成ができます。他の生成AIにはない機能です。
やり方は以下の通りです。

  1. 送りたいメールの内容を指示してGoogle Bardに聞く。
  2. ページ下部にある一番右のマークをクリックする。
  3. 「Gmailで下書きを作成」をクリックする。
  4. 数秒後、画面左下に出てくる「Gmailを開く」をクリックする。
  5. Gmailで編集してメールを送信する。





④画像検索

英語で指示を書く場合だけですが、Google Bardは画像検索ができます。
例えば、iPhoneの写真を探したいとき、「pick up a photo of an iPhone」と聞くと、以下のようにiPhoneの画像と説明が返ってきます。

「iPhoneの写真を探して」と日本語で聞くと、
「申し訳ありませんが、iPhoneの画像を探すことができません。私は画像を生成することができず、自分のコンピューターから画像にアクセスまたはダウンロードすることもできません。」
と回答され、画像検索ができません。

⑤GoogleスプレッドシートとGoogleドキュメントにエクスポート

Google Bardは回答結果をGoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントにエクスポートできます。それぞれのやり方を説明します。

Googleスプレッドシートにエクスポート

  1. 表形式で結果を表示させる
    例えば、「秋田の観光スポットを5個表形式で教えて」と聞く。
  2. 表データの右下にある「Googleスプレッドシートにエクスポート」をクリックする。
  3. 画面左下に出てくる「スプレッドシートを開く」をクリックする。
  4. Googleスプレッドシートに結果が表示される。




Googleドキュメントにエクスポート

  1. 質問する
    例えば、「ジャンルを問わず短編小説を書いて」と聞く。
  2. ページ下部にある一番右のマークをクリックする。
  3. 「Googleドキュメントにエクスポート」をクリックする。
  4. 「ドキュメントを開く」をクリックする。
  5. 結果がGoogleドキュメントに表示される。





⑥プロンプトの再修正ができる

Google Bardはプロンプトの実行後に、プロンプト内容の編集が可能です。
やり方は以下の通りです。

  1. プロンプト実行後、右上のペンマークをクリックする。
  2. プロンプトを修正する。
  3. プロンプトを修正後、「更新」をクリックする。
  4. 修正後の結果が修正前の結果を上書きして表示される。



⑦アイデア出し

Google Bardはアイデア出しの手伝いもしてくれます。
例えば、「AIと人間についての本のタイトルを考えて」と聞くと、
以下のように返ってきました。




本のタイトルのアイデア出しに加え、タイトルの意味まで考えてくれました。

⑧マルチモーダル機能

マルチモーダル機能とは、AIが複数の異なる種類のデータ(テキスト、音声、画像、ビデオなど)を理解し、それらを組み合わせて情報を処理する能力のことです。例えば、テキストから画像を生成したり、画像からテキストを生成したりすることができます。
Google Bardはマルチモーダル機能を使うことができます。始め方と使い方は以下の通りです。

①始め方|Googleアカウントの優先言語を英語にする。

  1. Google Bardホーム画面右上にあるアイコンをクリックする。
  2. 「Googleアカウントを管理」をクリックする。
  3. 「言語」と検索し、「言語 個人情報」をクリックする。
  4. 優先言語のペンマークをクリックする。
  5. 「英語」と検索し、「English(英語)」をクリックする。
  6. 「United States」をクリックし、「保存」をクリックする。






②使い方

  1. チャット入力欄の左にある「+」をクリックする。
  2. 「Upload file」をクリックする。
  3. JPEG、PNG、WebPいずれかのファイルをアップロードし、英語でプロンプトを書く(DeepLを使って翻訳)。

    今回は、青空の風景画像をアップロードし、「タイトルを考えて(Come up with a title)日本語に訳して(translate into Japanese)」とプロンプトを書く。
  4. IV. 結果が表示される。




Google Bardの注意点


これまでGoogle Bardの使い方などを説明してきました。しかし、いくつか使用上の注意点があります。

現在は試験運用中

Bard は新機能の性能や安定性を確認するために試験運用をしています。そのため、現段階ではバグの発生や見当違いな回答を返す可能性があります。

不正確な情報や不適切な発言が表示される可能性がある

Google Bardは以下のように宣言しています。
“Bard は試験運用中の技術であるため、生成される情報は不正確または不適切な場合がありますが、Google の見解を述べるものではありません。”
そのため、Bardの回答結果を鵜吞みせず、必ずファクトチェックを行いましょう。

個人情報や機密情報の入力に注意

Google Bardは以下のように宣言しています。

“品質の向上とプロダクトの改善のため、人間のレビュアーが Bard との会話を確認し、注釈を付け、処理を行います。このプロセスの一部として、プライバシーを保護するための措置が講じられています。これには、レビュアーが Bard との会話を確認したり注釈を付けたりする前に、その会話と Google アカウントとの関連付けを解除する措置も含まれます。Bardとの会話にはご自身や第三者を特定できる情報を含めないようお願いいたします。

Bardで行う会話の内容は蓄積されるので、会話の内容に個人情報や機密情報を含めないように注意して下さい。

一部の機能は英語のみ対応している

マルチモーダル機能や画像検索は英語のみに対応しています。
マルチモーダル機能を使いたいときはGoogleアカウントの優先言語を英語にする必要があります。画像検索をしたいときは、プロンプトをDeepLなどで翻訳してもらうと便利です。

画像の作成はできない

BardはMidjourneyやStable Diffusionのようにプロンプトから画像を生成することはできません。しかし、画像生成のひな形は出来上がっているようです。
例えば、「猫の画像をつくって」と聞くと、以下のように返ってきました。

“かしこまりました。猫の画像を作成いたします。
以下は、私が作成した猫の画像です。
[Image of 白い猫が毛布に横たわっている]
この猫は、白い毛並みで、毛布に横たわっています。目は閉じていて、リラックスしている様子です。
いかがでしょうか?
ご希望の猫の画像がございましたら、具体的に教えていただけますか?“

[Image of 白い猫が毛布に横たわっている]の部分に生成画像が添付されるようです。
現段階ではその実装には至っていませんので、画像の作成はできません。

BardとChatGPTとBing AIの違いは?


BardとChatGPTとBing AIの違いを表にして簡単に解説します。

ChatGPT Bard Bing AI
開発元 OpenAI Google Microsoft
大規模言語モデル GPT-3.5 PaLM2 Microsoft Prome theus
(GPT-4 + 検索エンジン)
使用できるブラウザ ほぼすべてのブラウザ ほぼすべてのブラウザ Microsoft Edge、Bingアプリ
回答スタイル ひとつの回答 3つの回答 3種類の会話スタイル
回答速度 速い 速い 普通
情報の新しさ 2021年9月まで 最新情報に対応 最新情報に対応
料金 無料 無料 無料
強み プログラミング、データ分析 Gmailなどに結果をエクスポートできる 画像生成、情報の信頼性が高い

まとめ

本記事ではBardの始め方・使い方・注意点について解説しました。
またChatGPTやBing AIとの比較もしました。

  • BardはGoogleが提供する生成AI
  • Bardは無料で使える
  • Bardは日本語に対応している

注意点

  • 現在は試験運用中
  • 不正確な情報や不適切な発言が表示される可能性がある
  • 個人情報や機密情報の入力に注意
  • 一部の機能は英語のみ対応している
  • 画像の作成はできない

Bard vs ChatGPT vs Bing AI

  • Web上の最新情報の検索→Bing AI or Bard
  • GmailやGoogleドキュメントなどに回答結果をエクスポート→Bard
  • プログラミングやデータ分析→ChatGPT

どのタスクがどの生成AIに最適かどうかを決めることは個人差もあり難しいですが、
自分が使いやすい生成AIを使い、上手くいかない時や他の回答も欲しい時に別の生成AIも使うといいでしょう。

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