Google Pixel 8/8 Proに搭載された新AI|iPhone 15との比較と業務への活用方法

公開:2024年01月10日

2023年10月12日、日本でGoogle Pixel 8/8 Proが発売されました。この2機種はどちらも、生成AIを取り入れることで、Appleが生産販売しているiPhoneシリーズと差別化を図っているようです。Google Pixel 8/8 ProのAI機能でできること、それぞれのスペック差、業務への端末の活用法などについて解説します。

Google Pixel 8/8 ProのAI機能

Google Pixel 8/8 Proで利用できるAIは、「生成AI」と呼ばれるものです。生成AIは、過去に学習させた文章・画像・音声などの情報をもとに、新しくリアルな情報を作り出すAIを指します。

一例として、生成AIであるChatGPTはユーザーが入力した文章の内容を判別し、それに合わせて最適な答えを作り出します。
GoogleアシスタントやSiriに代表されるような従来型のAIは、文章を読み取ったのちにインターネット上から情報を検索してきて提示してくれます。

そのため、正しい情報は出力できますが、新しいものを創出することはできませんでした。

一方、生成AIの場合は新しいものを生み出せるようになった反面、明らかに誤りである生成を行ってしまうケースもあります。

音声と写真・動画に関するものが中心

Google Pixel 8/8 Proで利用できる生成AIは、音声・写真・動画に関するものが中心です。

具体的には、

  • クリア音声:通話時ノイズ音をカットして音声をクリアに
  • 音声消しゴムマジック:風切り音やノイズをカット
  • 消しゴムマジック:写真から対象となるモノ・ヒトを消して背景を書き足す
  • 編集マジック:写真の対象となるモノ・ヒトを移動させるなどの編集が可能に
  • ベストテイク:写真に写った人の顔を過去のデータをもとに入れ替え編集ができる

などが挙げられます。

日本国内ではまだ展開されていないサービスも

Google Pixel 8/8 Proでは、以下のようなAI関連機能がこれから展開される見通しです。

  • 通話スクリーニング:迷惑電話対策機能
  • Bardを活用したGoogleアシスタント:ユーザーに合わせて生成AIで必要な情報を提供
  • レコーダーアプリの要約機能:収録に際して文字起こしされた情報を要約
  • Zoom Enhance:ズームした画像を鮮明にする
  • 動画ブースト:動画を構成する1秒あたり30枚の写真をすべてAIで加工処理

レコーダーアプリ、Zoom Enhance、動画ブースト機能については、Pro版でのみの展開が予定されています。

また、当初は英語版のみでの対応となり、そのあとで日本語版に対応したものがアップデート対応される可能性があります。

Google Pixel 8と8 Pro、iPhone15の比較

Google Pixelは、8と同時に上位機種である8 Proが発売されています。

両者のスペック差について、簡単にまとめます。

Pixel 8 Pixel 8 Pro
価格 112,900円~ 159,900円~
OS Android14 Android14
SoC Google Tensor G3 Google Tensor G3
メモリ(RAM) 8GB 12GB
ストレージ(ROM) 128GB/256GB 128GB/256GB/512GB
ディスプレイ 6.2インチ
2,400×1,080
6.7インチ
2,992×1,344
アウトカメラ 約5,000万画素メイン
約1,200万画素超広角
約5,000万画素メイン
約4,800万画素超広角
約4,800万画素5倍望遠
インカメラ 約1,050万画素 約1,050万画素
バッテリー 4,575mAh 5,050mAh
外部端子 USB Type-C USB Type-C
防水/防塵 IPX8/IP6X IPX8/IP6X
サイズ 約150.5×70.8×8.9mm 約162.6×76.5×8.8mm
重量 約187g 約213g

SoC(System on Chip)は、スマホなどの電子機器の動作を担うさまざまな機能をひとつの統合されたシステムとして組み込んでいるものを指します。Google Pixel 8と8 Proでは、どちらも同世代のSoCを利用しているため、ここでの性能差はありません。

一方、RAMはPixel 8が8GB、Pixel 8 Proが12GBとなっており、動作の重たいプログラムの処理速度では性能に差が出る場合があると考えられます。

ただし、一般事務を行うパソコンで必要とされるメモリ(RAM)の容量が4~8GB程度なので、Pixel 8でも使用中に不便を感じるほど動作が鈍くなるとは考えにくいです。

ディスプレイはProのほうが8%程度大きく、解像度も大幅に向上しているため、よりきめ細やかで繊細な画像表示・描画が可能です。

Pixel 8 ProはPixel 8に比べ、アウトカメラも高品質なものが利用できます。

メインカメラとインカメラは同程度のスペックですが、超広角レンズでは画素数に4倍の開きがあります。また、5倍望遠機能のついた第3のカメラがあり、遠景もきれいに撮影・録画できます。

バッテリー容量は10%程度Proのほうが大きく設計されています。

これらに伴って、重量もProのほうが14%程度重たくなっています。

動画を撮影する機会が多い人や、写真加工・動画加工などをスマホで行おうと考えている人であれば、8 Proのほうが適しているかもしれません。

また、今後展開されるAI関連機能は、Proにのみ搭載されるものがある予定となっています。

続いて、Pixel 8とほぼ同時期に発売された、Appleの新作・iPhone 15と比較してみます。

Pixel 8 iPhone 15
価格 112,900円~ 124,800円~
OS Android14 iOS17
SoC Google Tensor G3 A16 Bionic
メモリ(RAM) 8GB 12GB
ストレージ(ROM) 128GB/256GB 128GB/256GB/512GB
ディスプレイ 6.2インチ
2,400×1,080
6.1インチ
2,556×1,179
アウトカメラ 約5,000万画素メイン
約1,200万画素超広角
約4,800万画素メイン
約1,200万画素超広角
約1,200万画素2倍望遠
インカメラ 約1,050万画素 約1,200万画素
バッテリー 4,575mAh 3,349mAh
外部端子 USB Type-C USB Type-C
防水/防塵 IPX8/IP6X IPX8/IP6X
サイズ 約150.5×70.8×8.9mm 約147.6×71.6×7.8mm
重量 約187g 約171g

OSについては、PixelがAndroid、iPhoneがiOSを採用しているため、一概に比較はできません。

同様に、SoCについても、それぞれ規格が異なるため、一律して比較することは難しいです。

iPhone15が優れている点としては、メモリ容量(RAM)が大きいため、Pixel 8より快適に動作しやすいと期待できる点です。

アウトカメラ・インカメラも、それぞれPixel 8より高性能のものを搭載しています。

反面、バッテリー容量はPixelの75%以下となっており、動作性能に対してバッテリー量は少なめです。

また、iPhone 15にはPixel 8のような新しいAI機能が搭載されておらず、従来通りAIアシスタントのSiriが使える程度です。

生成AI技術を活用したスマホを利用したいのであれば、Google Pixel 8のほうが適しているでしょう。

写真や動画を撮影するだけであれば、iPhone 15のカメラ性能はPixel 8 Pro並みに優れていますので、料金や利用シーンをイメージしながら選定するのが理想です。

Google Pixel8/8Proで業務効率化は目指せるか?

Google Pixel 8/8 Proは、一般的なスマホとしての機能(通話、メール、SNS利用等)に加えて、画像や動画、音声をAIで加工することに優れています。

これらを活用して、以下のような業務への活用が考えられます。

資料用の写真を簡単に撮影・加工

社内会議などの資料として、参考画像が欲しい場合があります。

そうした際に、Pixel 8を利用して素材を撮影すれば『消しゴムマジック』や『編集マジック』機能を利用して、簡単に必要な画像を合成できます。

ただし、AIの技術はまだ完璧ではないため、合成した画像に違和感が出てしまうこともあります。

よりオフィシャルなシーンで利用するような画像の場合は、撮影したものをAI加工せずに利用できるように撮影することをおすすめします。

会議議事録を録音、AIでノイズカット

録音されたデータに対して、風切り音やノイズを除去する『音声消しゴムマジック』が使えます。

会議の様子をPixelで収録・撮影して保存しておけば、後から議事録を書き起こすときにノイズカットすることで聞き取りにくい部分が簡略化され、作業効率の改善が見込めます。

Pixelには文字起こし機能もありますが、複数人が発言する会議の場での議事録作成では、誰がどの発言をしたのか分からなくなってしまうため、文字起こし機能をそのまま利用するのは難しいでしょう。

レコーダーの要約機能でメモ作成が不要に?

AIを活用して録音時に文字起こしを実行、さらに生成AIを用いることで、文字起こしした内容を要約する機能が搭載される見込みです。

講習会など一人が発言し続ける場での内容をまとめた文章の作成や、業務指示のメモ代わりに録音することで、要約機能が活かせます。

生成AIでの要約機能は2023年10月時点ではまだ実装されていませんが、今後のアップデートで、Proのみ、英語版にて追加されると発表されています。

日本語やPixel 8端末への対応は未定ですが、非常に便利に使える機能ですので、アップデートが待たれます。

まとめ

Google Pixel 8/8 Proは、Googleが2023年10月に発売したAndroidスマホです。

生成AIに注力しており、iPhoneシリーズとは一線を画した方向への進化を始めています。

画像や動画のAIによる加工処理が主な強みですが、レコーダー機能の文字起こし・自動要約生成など、今後さらにビジネスシーンでも活躍できそうな機能が展開される見通しです。

Androidスマホとしては比較的高価な端末ですが、新しいテクノロジーに手軽に触れられるメリットもあります。

興味のある方は、ぜひ購入を検討してみてください。

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