有効な回答がたくさん集まる顧客満足度アンケートの作り方

顧客満足度は、商品やサービスの改良や新規顧客の獲得、さらにはブランドロイヤリティの醸成に直結する重要な指標です。そのため、顧客満足度を正しく把握することは、企業や事業者にとって不可欠な取り組みとなっています。近年はオンラインツールや外部サービスの進化により、顧客満足度アンケートを手軽かつ効果的に実施できるようになりました。

本記事では、顧客満足度アンケートを「より多く」「より質の高い」回答が得られる形で作成し、マーケティング戦略に生かすためのポイントを整理します。最新の実例やテンプレート、代行サービスなどにも触れながら、2024年現在の効果的なアンケート設計手法をご紹介します。

なお、アンケート結果の集計や分析方法については、ビジネスインテリジェンスツールや各種統計ソフト、クラウド型サービス（たとえばTableauやLooker Studioなどを活用することで、より精密な分析が可能です。

ターゲットの明確化：誰に答えてもらうかを最初に決める

アンケートを成功させるには、最初に「誰に向けたアンケートなのか」を明確にすることが重要です。具体的なターゲット像を設定することで、質問内容や設問形式が定まり、ビジネスに有益なデータが得やすくなります。

回答率を高めるための工夫

所要時間・設問数を冒頭で明示する

回答者は、どれくらいの時間と労力が必要か事前に知りたいものです。冒頭で「全10問・約3分で完了」など所要時間の目安や設問数を明示すると、回答への心理的ハードルが下がり、離脱率が低下します。

インセンティブの提示

可能であれば、回答者に対する謝礼や抽選プレゼントなどのインセンティブを用意すると、回答率は格段に向上します。数百円分のギフト券やクーポン、あるいは限定コンテンツの提供など、回答者に明確なメリットを提示しましょう。

設問文の簡潔化

設問は分かりやすく、簡潔な言葉で表現することが肝心です。長文や専門用語が多すぎる質問は回答者を疲れさせ、正確な回答を妨げます。専門用語が必要な場合は、用語説明や補足を加えるとよいでしょう。

不備や混乱を招く設問を避ける

「1つの質問で2つ以上の要素を尋ねる」「選択肢に抜けや重複がある」などの不備は、回答者を混乱させます。事前に第三者にチェックしてもらい、不明確さがないか確認しましょう。

■職に就いていない人が選べる項目がない

■「性能」と「価格」のことをまとめて尋ねている

自由記述は最小限に

自由記述形式は回答者に負担が大きく、回答率が下がりがちです。自由回答欄を任意回答にする、どうしても必要な場合は回答例を示す、あるいは最後に「追加のご意見があればお書きください」と1問設ける程度にとどめることが効果的です。

個人情報・属性情報の設問は終盤に配置

回答者の属性（年齢層、性別、職業、趣味嗜好など）のデータは、顧客セグメンテーションやターゲット戦略立案に極めて有用です。ただし、「収入」などセンシティブな質問は、アンケート終盤に配置することで回答率が高まる傾向があります。回答者との信頼関係がある程度構築された後で尋ねると、回答者は心理的抵抗感が少なくなります。

回答形式のバリエーション

アンケートでは、目的や質問内容に応じた適切な回答形式を選ぶことが重要です。代表的な形式には以下のようなものがあります。

単一選択回答

選択肢から1つのみ選ぶ

複数選択回答

選択肢から該当するものを複数選択

回答数制限（リミテッドアンサー）

たとえば5つの選択肢から最大3つまで選べるようにする

自由回答（自由記述）

任意の内容を記述

順位付け（ランキング形式）

複数の選択肢を順位づけする

マトリクス形式

共通の選択肢を複数の質問で一覧表示する

これらを目的に応じて組み合わせることで、回答者が答えやすく、かつ企業側にとって有益なデータが得られます。

テンプレートや外部サービスの活用

顧客満足度調査は定番のテーマのため、ウェブ上には豊富なテンプレートやアンケート代行サービスが存在します。こうしたリソースを活用すれば、作成の手間を軽減し、質の高い設問設計を短時間で行うことが可能です。

有用なサービス例

bizocean

ビジネス書式などの豊富なテンプレートを提供

例：[お客様満足度アンケート]

Questant

オンラインアンケート作成ツール

例：[お客様向け満足度アンケート]

SurveyMonkey

世界中で利用されるオンライン調査ツール

例：[顧客満足度調査テンプレート]

ボクシル

ビジネスで活用できる調査テンプレート多数

例：[満足度調査テンプレート]

経費削減実行委員会

業務効率化に役立つビジネス書式テンプレートを提供

例：[アンケート用紙(購入商品用)]

これらのサービスは年々アップデートされており、最新の顧客満足度調査トレンドや回答者に配慮した設計思想を反映しています。自社独自の項目を組み込む前に、これらのテンプレートを参考にするとスムーズです。

おわりに

顧客満足度アンケートは、商品・サービス改善やマーケティング戦略立案に不可欠な情報を得る強力な手段です。ターゲットの明確化、回答率を高めるための工夫、設問設計の見直し、回答形式の最適化など、基本的なポイントを押さえれば、アンケートの質は格段に向上します。また、最新のオンラインツールやテンプレートサービスを利用すれば、初心者でも短時間で効果的な調査を行うことが可能です。

2024年現在、多くの企業や団体が顧客満足度を重視し、アンケート結果を改善に反映しています。今後も顧客の「生の声」を収集し、ビジネスの成長と発展に役立てていきましょう。