リスニングが苦手な原因5つと上達4ステップ【便利ツールも】
英語学習者の中には、「リスニングがなかなか上達しない」と悩む方が少なくありません。「毎日英語を聴いているのに、全く聴き取れるようにならない」という相談をよく耳にします。
このブログでは、筆者の留学経験を基に、英語の学習方法を何度か紹介しました。
今回は、そんなリスニングが苦手な学習者に役立つ記事です。リスニングが上達しない原因と効果的な勉強法、リスニングの勉強に便利なツールを紹介します。
リスニングが上達しない原因5つ
原因1.英語を「聴くだけ」で終わっている
英語を「聴くだけ」では上達しません。リスニングが出来るようになるには、英語の総合力が必要だからです。英語の総合力とは、下記の知識やスキルなどで構成されます。
- ボキャブラリー
-
文法
-
読解力
-
発音の知識
-
英語の回路
どれかが不足していれば、リスニングは出来ません。英語を聴くだけの勉強法は、必要な知識やスキル全てにアプローチできないので、リスニングの勉強として不十分です。
原因2.ボキャブラリーと文法の知識が不足している
聴き取れなかった問題のスクリプトを読んでみてください。スクリプトを読んでもわからない場合は、ボキャブラリーと文法の知識の不足が原因です。知らない単語や言い回し、読んで理解できない文は聴き取れません。ボキャブラリーと文法の強化に取り組みましょう。
原因3.発音の知識がない
英語はどのように発音されるのか、学ぶ必要があります。
英語には日本語に無い音が多く存在します。英語の基礎的な音を知らないと、発音を正確に聴き取れないので、リスニング力が身に付きません。
原因4.ネイティブの発音に慣れていない
原因2と内容が重なりますが、大事なポイントです。
発音の基本を学び、単語やフレーズ単体の発音を知っていても、ネイティブの英語をすぐに聴き取れるようにはなりません。
例えば、ネイティブが英語を話す時、発音が前後の音の組み合わせによって変化します。
音の変化の例
- リンキング(Linking):音がつながっているように発音されること
(例)
When I ウェンアイ → ウェナイ -
リダクション(Reduction):本来発音されるはずの音が発音されない、または非常に弱く発音されること
(例)
Exactly イグザクトリー → イグザクリー
Kind of カインドオブ → カインダ -
フラッピング(Flapping):Tの音が変化すること
(例)
water ウォーター → ウォーダー
little リトル → リドル
実際のネイティブの会話やスピーチでは、どう発音されるのか知る必要があります。
原因5.自動化できていない
「自動化」とは、「和訳せずに、英語を英語のまま即座に理解できること」です。リスニング力が伸びるかどうかは、自分がどの程度自動化できているかに左右されます。
自動化できるようになるには、和訳癖を無くすことが必須です。和訳を介して英語を聴き取ると、脳内での英語の処理がワンテンポ遅れるからです。
初級~中級難易度のリスニングまでなら、和訳を挟んでも問題ありません。スピードが遅いので、和訳する余裕があります。
しかし、ここからさらに上のレベルを目指す時が問題です。ネイティブの英語のスピードは非常に速いです。彼らの英語を聴き取るには、相手の話す英語を即座に理解しなければいけないので、頭の中で和訳をする暇はありません。
和訳を挟む癖があると、中級レベル以上から伸び悩むので、出来るだけ和訳を挟まないようにしましょう。ネイティブの英語を聴き取れるようになりたい人は特にです。和訳癖を克服して、自動化できるようになりましょう。
リスニングを上達させる4ステップ
1.セルフチェックをする
自分の弱点を把握しましょう。上記で挙げた原因5つの中で、自分の苦手なポイントを確認します。
2.発音の勉強をする
まずは、発音を抑えることを推奨します。英語特有の音や発音のルールを知識として学べるので、聴き取りに苦労することが減ります。
ただし、発音を独学のみで学ぶことはおすすめしません。自己流でやると、変な癖や間違ったフォームを身に付けてしまい、修正するのに時間がかかってしまうからです。発音の矯正を行っているスクールに通うのがベストです。お金や時間的にどうしても難しい人は、下記のYouTubeチャンネルで勉強してみてください。
あいうえおフォニックス
「フォニックス」とは、英語のつづりから発音の規則性を学ぶ方法です。「あいうえおフォニックス」は、フォニックスをアニメーションと共にわかりやすく紹介してくれます。
また、フォニックスだけでなく、日本人が英語でつまずきやすいポイントも解説しています。
例)「未来」以外のwon’tの使い方
【違いがわかる?】won’t は未来の否定だけじゃない doesn’t(現在形)/won’t/not going toをくらべてみた[#246]
発音の基礎を体系的に楽しく学べ、英語の理解が深まるので、初級者から上級者まで非常におすすめのチャンネルです。
3.英語の文章を読む
「リスニングを鍛えたいのに、なんでリーディングをするの?」と思った方もいるでしょう。しかし、リスニングで伸び悩む人の中には、ボキャブラリー不足が要因になっている人が意外に多いです。原因2で述べたように、知らない単語やフレーズは聴き取れません。リーディングは語彙の強化に効果的なので、リスニングと並行してやりましょう。
以前に紹介したライティング上達法の記事で挙げたサイトや書籍が、リーディングにも役立ちます。下記にリンクを掲載します。
https://blog.formzu.com/how_to_study_english_writing_on_my_own
4.英語字幕やスクリプトが用意されているもので勉強する
実際にリスニングを行う際は、出来るだけスクリプトがあるものを使ってください。スクリプトがあれば、聴き取れなかったりわからなかった単語やフレーズを確認できます。
学習の手順
- 字幕無しで聴く
- 聴き取った内容とわからなかった所をメモする(英語でメモすることを推奨)
- 字幕、またはスクリプトを見ながらもう一回聴く
- それでもわからなかった単語や文章を調べる
- 再びスクリプトを見ながら聴く
- 字幕なしで聴く
教材選びのポイント
勉強で挫折しないようにするには、適切な難易度設定と教材選びが大事です。
難易度は、自分が全体の7~8割理解できるものを選んでください。これより難しいと心理的に辛くなって挫折してしまい、逆に簡単すぎると途中で飽きます。
教材は、自分が好きな分野を取り扱っているものから始めましょう。興味のあるものなら、学習に対するモチベーションを維持できます。また、予備知識があるので、わからない部分を補ってくれます。興味のあるものを継続して聴けば、その分野のボキャブラリーが増えていくので、学習効率が良いです。
例えば、筆者は絵を描くことが好きなので、絵の描き方やメイキングを紹介しているチャンネルを良く視聴します。
How to Draw the Head from Any Angle
おすすめの動画やツール
リスニングの勉強に最適なYouTubeチャンネルや役立つツールを紹介します。
Rachel’s English
Rachel’sEnglishのYouTubeチャンネル
字幕:有り(日本語字幕は一部の動画にのみ付いている)
アメリカ人の英語教師、レイチェル先生が英語の発音を中心にレクチャーしてくれます。
無料なことが信じられないほど、良質な講義が公開されています。基本だけでなく、実践的な内容まで網羅されているので、超おすすめのチャンネルです。
ただし、動画の数は800以上あり、どこから手を付けていいのかわかりにくいです。以前書いたおすすめのYouTube学習法の記事で、Rachel’s Englishのおすすめの再生リストを紹介したので、参考にしてみてください。
おすすめのYouTube英語学習法の記事のリンク
https://blog.formzu.com/youtube_channels_for_learning_english
Rachel先生の動画を1つ紹介
映画を使った講義動画があります。ネイティブのリアルな英会話、イントネーションや発音の仕方、さらには重要な単語やフレーズを丁寧に解説しています。
Learn English With The Pursuit of Happyness | Rachel’s English
リスニングプラザ
サイトのURL: https://www.listening-plaza.com/lis0018.html
無料で英語の書き取り(「ディクテーション」と言います)ができる英語学習サイトです。初級、中級、上級の3段階で難易度が分かれているので、自分に合ったレベルから挑戦してみましょう。勉強の手順も掲載されているので、すぐに学習を始められます。
Breaking News English
サイトのURL: https://breakingnewsenglish.com/
ニュース形式の記事を使って勉強が出来る無料サイトです。リスニングだけでなく、リーディングと文法の問題もあるので、英語のスキルをまんべんなく鍛えられます。難易度はLevel0から6まで選べます。
YouGlish
サイトのURL: https://youglish.com/
発音を検索できるサイトです。発音を知りたい単語やフレーズを検索すると、検索した単語を含む動画を表示してくれます。その単語が、実際の会話やスピーチでどのように発音されるのかがすぐにわかります。さらに、単語が含まれる部分のスクリプトも表示してくれます。
まとめ
リスニングが苦手な原因と上達法でした。
まとめると
リスニングの伸び悩みの原因5つ
- 英語を「聴くだけ」で終わっている
- ボキャブラリーと文法の知識が不足している
- 発音の知識がない
- ネイティブの発音に慣れていない
- 自動化できていない
リスニングを上達させる4ステップ
- セルフチェックをする
- 発音の勉強をする
- 英語の文章を読む
- 英語字幕やスクリプトが用意されているもので勉強する
学習の手順
- 字幕なしで聴く
- 聴き取った内容とわからなかった所をメモする(英語でメモすることを推奨)
- 字幕、またはスクリプトを見ながらもう一回聴く
- それでもわからなかった単語や文章を調べる
- 再びスクリプトを見ながら聴く
- 字幕なしで聞く
学習者がリスニングの伸び悩みを克服するヒントになれば幸いです。