Microsoft Whiteboardの追加機能とは?Google Jamboardとの比較も

公開:2022年01月13日

複数人でホワイトボードを共有できるプログラムであるMicrosoft Whiteboardは、WEBからだけでなく、アプリケーションのダウンロードでも使用できます。
この記事では、2021年10月までに行われたアップデートについてまとめています。また、類似サービスであるGoogle Jamboardとの比較も行います。

Microsoft Whiteboardとは?

Microsoft Whiteboardは、Microsoftが提供している電子ホワイトボードのプログラムです。個人がパソコン上での使用はもちろん、複数人と画面の共有もできます。
ウェブ会議で同じホワイトボードを共有できるなどのメリットがあります。

Microsoft Whiteboardの従来機能や使い方については、下記のブログ記事で詳しく解説しています。

【Microsoft Whiteboard】これは便利!オンラインホワイトボードで会議を円滑化

Microsoft Whiteboardのアップデート内容は?

上の記事でご紹介している機能に加えて、2021年10月までに次のようなアップデートが加わりました。

WEB版の内容を充実

これまでは、手描き入力と共有機能しか使えませんでした。

アップデートによって、WEB版でもアプリ版同様、テキストボックスや付箋などの機能が使えるようになりました

これにより、従来のWindowsストアアプリ版よりも高質な操作感で使えます。

個人用Microsoftアカウントのサポート

従来は、組織や学校などのアカウントでのサインインが基本で、同一組織内のアカウントとのみ共有が可能でした。
アップデート後は個人向けのMicrosoftアカウントでのサインイン・共有もできるようになりました。

新テンプレートが登場

会議を円滑に進めるのに便利なテンプレートが、40種類以上追加されました。
適切なテンプレートを利用することで、ホワイトボード全体を見やすくし、課題解決を促進します

ガイド付きコラボレーションの実装

画面を共有しているユーザーが、ホワイトボード上で何を操作しようとしているのかが見られます。

カーソルの移動なども分かるため、作業・会議の一体感が高まります。

インク(手書き文字)の機能が向上

WEB版のインクに、下記の機能が追加されました。

  • インクを認識してシェイプ化
  • インクの直線化
  • インクの矢印

直線を引きたいときには、一般にルーラー機能を呼び出してから描画します。
WEB版では、一定時間以内に書かれた直線風の描画は、直線としてオートシェイプされるようになりました。
これにより、フリーハンドでも構わない直線は、ルーラーを呼び出さずとも描画できるようになりました。
また、円や四角、三角などの基本的な図形も自動で認識して描画してくれます。

さらにShiftキーを押しながら描画することで、オートシェイプに頼らない直線を引けます。これらを活用することで、折れ線グラフなどの描画をより簡単に行えるようになりました。

会議の中で便利な機能のアップデートが、「インクの矢印」の実装です。
ホワイトボード上で変化を示すときに多用される矢印記号を、直線を引くだけで描画できます。
シンプルながら、強力なサポートツールと言えるでしょう。

アプリケーション版は今後改善される見込み

WEB版の内容が大幅に充実した一方で、アプリ版では「改悪だ」と感じているユーザーもいるようです。

消しゴム機能は、WEB版では描画直線単位で削除できますが、アプリ版ではストローク消去(ペイントにおける消しゴム操作と同様のもの)となっています。
上記でご紹介したインクの直線化や矢印機能などもWEB版限定のアップデートです。

ただし、WEB版で既に行われている変更が、今後アプリ版にも反映される見込みであり、使い勝手は同程度まで向上すると予想されます。

Microsoft WhiteboardとGoogle Jamboard、優れているのはどっち?

類似するサービスであるGoogle Jamboardも、評価の高い電子ホワイトボードです。
両者の違いを比較してみます。

両者の機能比較

会議で気になる性能を、以下の通り比較しました。

Microsoft Whiteboard Google Jamboard
利用できる端末 PC、スマホ、タブレット
Surface Hub 2S
PC、スマホ、タブレット
Jamboard
必要なアカウント Microsoftアカウント Googleアカウント
推奨会議アプリ Microsoft Teams Google Meet
同時接続人数上限 99人(快適な動作のためには10人程度までの接続が理想) 50人
ボードの枚数 1枚 複数作成可能
ボードの範囲 拡張可能 固定サイズ
共有方法 ・URLを伝える
・Micrsoft Teamsで共有
・URLを伝える
・Google Meetで共有
・Googleアカウント経由で共有
共有対象 誰でも可 誰でも可
添付できるデータ ・画像
・Word、PDF、PowerPoint
(いずれも画像化して添付。Microsoft Store・アプリ版のみ利用可)
・画像
画像の元データ ・端末内データ
・Bing画像検索、端末のカメラ
(Microsoft Storeアプリ版のみ利用可)
・端末内データ
・Googleドライブ内データ
・Google画像検索
・画像URLからの呼び出し
・端末のカメラ
外部出力 PNGイメージ PDFデータ、PNGイメージ

Microsoft Whiteboardのメリット

Microsoft Whiteboardのメリットは、

  • ボードの範囲が無尽蔵に広くできる
  • WordやPDFのファイルをそのまま画像として添付できる
  • Teamsのユーザーにとって使いやすい

という3つが挙げられます。

中でも特に大きく差別化が図れているのは、ボードの範囲が広いという点です。

Google Jamboardでは、固定されたサイズのホワイトボードを複数枚用意できます。
それに対し、Microsoft Whiteboardでは、サイズが無制限のホワイトボードが1枚利用できます。

好みや会議の性質次第ではありますが、会議の流れや結果を1枚の画像にまとめられるため、全体を俯瞰した確認が取りやすくなります。

ほかにも、変わったペンカラーが使える、スタンプ(リアクション)機能があるなどの優位性があります。

Google Jamboardのメリット

Google Jamboardのメリットは、

  • ボードの枚数を増やせる
  • URL添付やGoogleドライブ連携で画像を読み込むことができる
  • 同時接続可能人数が多い
  • PDFファイルとして出力できる

の4つが挙げられます。

特に大きいのは、同時接続可能人数の多さです。
Microsoft Whiteboardが推奨接続人数10人程度までなのに対し、50人までの同時接続が可能である点は大きな魅力です。

ホワイトボードの情報が複数枚の画像に分かれてしまいますが、最終的にPDF出力が可能なため、データの散逸を防げます。

コスト面での比較

企業にとって重要な、費用面での比較も行います。

使用方法 初期費用 年会費
Microsoft Store・アプリ版
Microsoft Whiteboard
0円 0円
WEB版
Microsoft Whiteboard
0円 6,480円~/1ユーザー
(Microsoft 365のライセンス使用料)
Surface Hub 2S版
Microsoft Whiteboard
999,800円~ 6,480円~/1ユーザー
(Microsoft 365のライセンス使用料)
アプリ版
Google Jamboard
0円 0円
WEB版
Google Jamboard
0円 0円
専用端末(Jamboard)版
Google Jamboard
640,000円~ 77,000円(ライセンス料)

(上記の金額は、いずれも2021年12月時点での税別価格です。改定になることもあるので、注意してください)

PCからアクセスして使う場合、Microsoft 365をすでに導入している企業であれば、どちらも追加料金なしで使えます。
一方、どちらのサービスも、専用端末であるタッチパネル式ディスプレイを購入すると、コストが跳ね上がります。

まずは無料で両方を試しに使ってみて、コストメリットに見合うだけの効率化が図れるかのチェックをおすすめします。

今後のアップデートにも期待

Microsoft Whiteboardのアップデートは、WEB版で特に大幅に改善がありました。
反面、Microsoft Store版やスマホアプリ版ではマイナス評価となっている改修も少なくないため、今後の追加修正が待たれます。

Google Jamboardと比較すると、

  • Microsoft 365の導入企業であればMicrosoft Whiteboard
  • 同時接続ユーザーが10人以上50人以下ならGoogle Jamboard
  • 専用ディスプレイの導入は、双方のコストメリットを確認してから

ということが言えます。

Microsoft WhiteboardとGoogle Jamboardは、双方が優位性を高めるために今後もグレードアップを図ることが予想されます。
アップデートを定期的に確認しながら、自社に最適な電子ホワイトボードツールの導入を進めていきましょう。

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