集中力と音楽って関係あるの?オフィスにBGMを取り入れて生産性を高くする方法
仕事中、「静寂で職場の雰囲気が重く、なんか集中できない」、「午前中は集中できても、午後はボーっとしてしまう」という悩みを持ったことはありませんか。
音楽が、その悩みを解決するかもしれません。
オフィスにBGMを取り入れることで、どんな効果が得られるのでしょうか。
この記事の目次
心理とBGMの関係
BGMのテンポや曲調は、感情や行動に変化を与えます。
それは、マスキング効果、感情誘導効果、イメージ誘導効果です。
例えば、オフィスでBGMを流します。
これにより、電話している声や、会話している声などを気にしなくなります。
例えば、病院では、患者の不安を和らげるために、オルゴールなどのBGMを流しています。
フレンチレストランでコース料理を注文したところを想像してみてください。
コースを頼んだにもかかわらず、アップテンポなBGMが流れていたら、ゆっくりと食事を楽しめません。
BGMの有無、選曲で、そのお店のイメージは変わります。
お店のイメージは、聴覚からの印象を受けます。
人の心理とBGMには関係があります。
2008年東京医科大学病院で「BGMの効果とストレスの変化について」という研究が行われました。集中治療部で働く看護師が対象です。
集中治療部で働く看護師は、いつ急変するかわからない重症患者を対象とすることが多く、常に緊張した状態で勤務しています。それにより、看護師のストレスは高いです。
そこで、BGMの有無や種類により看護師のストレスに変化があるかを検証し、職場におけるBGMの効果を明らかにしました。
唾液アミラーゼ値の測定結果から、「BGMを聴きながら仕事をしたほうが、ストレス軽減に効果がある」とわかりました。
オフィスにBGMを取り入れる場合の効果と注意点
無音より、ある程度雑音があると、人の作業効率は高まります。
オフィスにBGMを取り入れる場合、効果と注意点は何でしょうか。
効果
リラックス
BGMがなく、タイピングの音や紙をめくる音しか聞こえないオフィスだと、緊張感があります。BGMがあると、ある程度リラックスした状態で仕事に取り組むことができます。
また、マスキング効果が、相談や報告のしやすい、雰囲気の良い職場環境を作ります。
BGMなしだと、自分の声や内容が、他の人に聞こえやすくなります。
そのため、相談や報告がしづらいです。
BGMがあると、「居心地悪いな」や「今相談していいのかな」という心配が減ります。
集中力の持続
長時間仕事をしていると、集中力がなくなってきます。
そこで、BGMを聞くと、気分転換になります。
また、座ったまま聞くことができるので、そのまま仕事にも戻りやすいです。
BGMのおかげで、長時間仕事に取り組むことができます。
気分を高める
感情誘導効果が、気分を高めます。
仕事に向き合う気分でないときに、テンポの良いBGMを聞くと、交感神経が活発に働きます。気分が高まり、仕事に取り組みやすくなります。
注意点
好きなBGMだけは作業効率を下げる
好きなBGMだけでは、作業効率を下げる可能性があります。
何曲も好きなBGMが流れると、BGMを聞くほうに気を取られ、集中できないためです。
大きすぎる音量、小さすぎる音量はダメ
音量が大きいBGMは、集中力の妨げになります。
音量が小さすぎても、マスキング効果がなくなってしまいます。
音量の目安は40~50デシベルです。
会話の時の声の大きさが50デシベル付近です。
考える仕事には不向き
慣れている作業や単純作業において、BGMは効果を発揮します。
企画書の作成や、メール文書の作成など、考える作業において、BGMは不向きです。
意識しているとき、脳は並行処理が苦手だからです。
オフィスにどんなBGMを取り入れるべきか
集中力に関連するα波とβ波を考慮して、オフィスにBGMを取り入れましょう。
集中力に関連するα波とβ波
脳に分泌するα波とβ波は集中力に関連します。
リラックスしているときに、α波は多く出ます。
人の集中力には限界があります。
リラックスできるゆったりしたBGMをたまに流し、α波が脳に多く出るようにしましょう。リラックスする時間を作ることで、脳の疲弊を最小限にし、集中力を持続させることができます。
脳が活発に働いているときに、β波は多く出ます。
リズムのいいBGMや好きなBGMを聞いて、気分を高め、脳を活発化させます。
β波を出すことが、集中力向上につながります。
一日中集中力を持続させるBGMの組み合わせ
実際にBGMを取り入れる際は、どの曲を選ぶべきでしょうか。
おすすめのBGMは、クラシックです。
クラシックはテンポの速いものもあれば、ゆったりしたものもあります。
また、ピアノ中心なので、聞き入ることがなく、集中力を妨げられる可能性も低いです。
心拍数が下がるとα波、心拍数が上がるとβ波が多く出ます。クラシックはα波とβ波を両方出し、自律神経を整えます。
そのため、集中力持続、リラックスにつながります。
しかし、朝から仕事をしていると、午後には疲れが出てきます。
クラシックだけでは、一日中、集中力を持続させることが難しいので、違うBGMを取り入れましょう。
クラシックと、他にどのようなBGMを取り入れればいいのでしょうか。
おすすめは、午前中にクラシック、午後に洋楽の組み合わせです。
朝は、通勤で、必要以上に時間を気にしたり、人ごみにイライラすることがあります。
職場に着いたときには、自律神経が乱れています。
その状態で仕事に取り掛かっても、なかなか集中できません。
午前中は乱れた自律神経を安定させるため、クラシックを選ぶのが良いでしょう。
午後は、リズムが良い洋楽を流すと、集中力が持続するでしょう。
また、歌詞を気にすることがないので、洋楽はおすすめです。
注意点は、リズムの良い洋楽ばかり流していると、リラックス効果を得られません。
脳の疲れを最小限に抑えるためにも、たまに落ち着いた曲を流すことも大切です。
適切にBGMを取り入れて、生産性を高くしよう
BGMには、マスキング効果、感情誘導効果、イメージ誘導効果があります。
これらにより、雰囲気の良い職場環境を作ることができます。
また、時間帯別に適切なBGMを取り入れることで、長時間仕事に集中することができます。
「職場の雰囲気が重く、仕事しづらい」、「なんか集中力が続かない」という悩みを解決するために、オフィスにBGMを取り入れてみましょう。