【2025年03月版】ChatGPT Plus(有料)はお金のムダ? 料金以上に業務効率化する方法

生成AIは、テキストなどの情報を入力することで、それに対応する情報を既存のデータを組み合わせて新規生成してくれるプログラムです。ChatGPTはより多くのユーザーが生成AIを利用しやすいサービスとして人気です。ビジネスにChatGPTを組み込むメリットと注意すべき点、無料版と有料版のサービスの違いなどについて紹介します。
この記事の目次
ChatGPTとは
ChatGPTは、非営利法人であるOpenAI社がリリースしている、生成AIによるチャットボットサービスです。
2022年にGPT-3.5という言語モデルを元にしたChatGPTを公開して以降、言語モデルのブラッシュアップを繰り返しています。
GPT-3.5より回答精度や生成速度の面を改善したGPT-4、GPT-4o、GPT-4o miniや、さらに高度な推論等が可能になったOpenAI o1、画像出力が可能なDALL-E、動画出力が可能なSoraなど、さまざまなモデルが展開されています。
ChatGPTは無料で使用できますが、有償契約も可能です。
有償版は、より高性能なモデルにアクセスできたり、ユーザー独自のカスタマイズが無制限に実行できたりといったメリットがあります。
ChatGPTのプラン比較
ChatGPTには、以下のプランが用意されています。
<個人向け>
- 無料版
- Plus
- Pro
<団体(法人)向け>
- Team
- Enterprise
それぞれについて、解説します。
無料版
無料版は、月額使用料なしで利用可能です。
- ライティング、問題解決などのサポート
- GPT-4o miniへのアクセス
- GPT-4oへの限定アクセス
- データ分析、ファイルアップロード、ビジョン、Webブラウジング、画像生成への限定アクセス
- GPTsの利用
上記のことが実現できます。
言語モデルについては下記『各モデルの違い』で詳述しますが、「スピーディーだが正確性はそこそこの生成が可能」なプランと言えるでしょう。
また、より高精度な言語モデルや画像生成に対しては、機能や回数面で制限のある『限定的 なアクセス』が可能です。
ユーザーによってカスタム可能なGPTsも、作成には対応していません。
ですが、生成AIを初めて使う人、生成AIに触れてみたい人、低頻度でアイディア出しに使う人などにはおすすめのプランです。
Plus
Plusは、月額利用料金20ドルのプランです。
- OpenA1 o1-preview、OpenA1 o1-miniへのアクセス
- GPT-4、GPT-4o、GPT-4o miniへのアクセス
- データ分析、ファイルアップロード、ビジョン、Webブラウジングへのアクセス
- 高度な音声モードへのアクセス
- DALL-E画像生成の利用
- GPTsの作成と利用
- その他新機能へのアーリーアクセス
が可能です。
無料プランと比べて大幅に違うのは、利用できる言語モデルのグレードが非常に高くなる点です。
また、GPT-4oで利用できるメッセージ数が、無料版の最大5倍まで対応しています。
GPTsは利用だけでなく作成も可能です。
無料版よりも高精度、かつ先進的な生成AIを利用したい方に、特におすすめのプランです。
Pro
Proは月額利用料200ドルで、個人向けとしては最もグレードの高いプランです。
Plusの全機能に加えて、
- GPT-4oとOpenAI o1へのフルアクセス
- 高度な音声モードへのフルアクセス
- OpenAI o1 proへのアクセス
が可能になります。
OpenAI o1 proは、非常に多くの計算量を必要とする複雑な課題に対して、より良い回答を導き出すための言語モデルです。
Plusでは満足できなかったユーザーや、最先端の生成AI技術を実感したい方におすすめです。
Team
Teamは、集団で生成AIを活用したい人たちに向けられたプランです。
ユーザー1人あたり月額30ドルですが、年払いにすると月額25ドルまでコストカットできます。
基本的にはPlusプランと同程度の機能が利用できます。
加えて、自作のGPTsをTeam内のワークスペースで共有でき、ワークスペース管理用のコンソールも利用可能です。
また、デフォルトで、生成AIの学習対象となるデータから除外されます。
各ユーザーが生成AIを活用できるだけでなく、企業内の業務におけるFAQサービスを実現できます。
Enterprise
Enterpriseプランは、Teamの全機能に加え、
- 各種ツールへの無制限、高速アクセス
- 管理者による制御、ドメイン認証、アナリティクス
- 充実したサポート体制
などが得られます。
Teamプランよりも厳格にアクセスユーザーを規定したい場合や、Teamよりも多くのメンバーと生成AIを利用する場合におすすめです。
料金については公表されていませんので、利用したい方は、OpenAI社の料金紹介ページ内にある『セールスに問い合わせる』ボタンから連絡して確認してください。
各モデルの違い
ChatGPTでは、複数の言語モデルがあります。
- GPT-4o/GPT-4o mini
- OpenAI o1-preview/OpenAI o1-mini
以下で、それぞれについて解説します。
GPT-4o/GPT-4o mini
当初公開されていたGPT-3.5よりも、より正確性の高い言語モデルとしてリリースされたGPT-4ですが、現在は無料プランでもその上位モデルが利用されています。
無料プランでは限定的なアクセス、Plus以上のプランで自由に利用できるGPT-4oは、より高度なGPT-4よりもハイグレードな言語モデルとしてリリースされています。
無料プランから利用可能なGPT-4o miniは、その軽量モデルとしてリリースされました。
より低負荷・高速で利用できますが、その分精度がGPT-4oよりも少し劣ります。
しかしながら、
- 推論タスク(MMLU、下図赤枠)
- 数学的推理能力(MGSM、下図青枠)
- コーディング能力(HumanEval、下図緑枠)
- より高度な推論(マルチモーダル推論・MMMU、下図黄色枠)
で、いずれ高い評価を得ており、生成AIとしての性能は、最良ではないものの、充分活用可能なレベルです。
引用:GPT-4o mini:費用効率の高いインテリジェンスの推進
OpenAI o1-preview/OpenAI o1-mini
GPT-4oよりもさらにアッパーランクの言語モデルとして、OpenAI o1があります。
OpenAI o1は、より複雑な推論を実行するための生成AIで、生成に長い時間を要しますが、その分より精度の高い回答が期待できます。
現在は、初期モデルであるOpenAI o1-previewがPlusプラン以上で提供されています。
また、OpenAI o1の軽量型であるOpenAI o1-miniもPlusプラン以上で提供されており、より確度が高く、かつo1-previewよりも高速に返答が得られます。
ChatGPT有料版への登録方法
PCでの登録
まずは、ChatGPTの無料版にログインします。
画面右上の「ログイン」もしくは「サインアップ」をクリックします。
既にアカウントを持っている場合はログインを、アカウントを持っていない場合はサインアップをクリックしてください。
アカウント登録はメールアドレスやGoogleアカウント連携などで作成可能なので、規約等を確認して実行しましょう。
アカウントにログインできたら、画面左上の『ChatGPT』ボタンをクリックして『ChatGPT Plus』を選択します。
すると、下記の画面に遷移します。
ここで、希望のプランを選択してクリックします。
すると、下図のオンライン決済ページに遷移します。
ここに必要なカード情報を入力して、決済を実行してください。
スマホアプリでの登録
ChatGPTはスマホでも使用可能です。
お使いの端末のOSに合わせて、下記からダウンロードできます。
ChatGPT|Google Play
ChatGPT|App Store
ここでは、iOSでChatGPTを有料登録する際の画面を紹介します。
アプリをダウンロードしたら、アカウントにログインします。
アカウント未作成の場合は、PC版と類似の方法でアカウントを作成してください。
アカウントログイン後、画面上部の『Plusを入手する』をタップします。
すると、下図の画面に遷移します。
この画面の最下部、『Plusにアップグレードしてください』をタップすると、サブスクリプション契約の認否を確認する画面に遷移します。
画面の指示に従って、支払いを決定します。
料金の支払方法
パソコン版からはクレジットカード決済のみが対応しています。
スマホアプリからは、AppleID、もしくはGoogle Play経由での支払いが可能です。
クレジットカードを持っていない、あるいは登録したくない場合は、アプリから登録して、紐づけている支払方法での決済を行う必要があります。
これらの支払方法は変更不能なので注意しましょう。
ChatGPT有料版がおすすめな人は
ChatGPTの有料版は、無料版に比べて利用できる言語モデルのグレードが上がっています。
生成には多少時間がかかりますが、高精度な生成AIが利用できるメリットは非常に大きいです。
データ分析や画像解析、生成AI画像の作成ができるメリットもあります。
また、GPTsを利用して回答をカスタムすることで、より自分にとって使い勝手のいい生成AIが利用できます。
法人や集団でChatGPTを利用したいときには、Teamプランから利用することをおすすめします。
ChatGPTをビジネスで活用
具体的に、ChatGPTをビジネスで活かすには、以下のような方法が考えられます。
情報の翻訳・要約・分析
大量の外国語文章を翻訳して要約、分析するのは、かなりの時間が必要です。
ChatGPTを利用すれば、これらの業務をコンピュータに任せられ、労力が大幅に軽減できます。
企画立案・フィードバック
新しい企画を思いついても、その新規性や有用性について自分で判断することは困難です。
そもそも企画自体を思いつかないというケースも少なくありません。
そこでおすすめなのが、企画立案・ブラッシュアップ時の、いわゆる壁打ち相手として、ChatGPTを活用するという方法です。
トレンドへの理解や把握、推論などをある程度の水準で実行してくれます。
メール文面・企画書作成の補助
ビジネスメールや企画書の文面は、ある程度のテンプレートタイプが決まっています。
そこで、アウトラインをChatGPTに作成してもらうことで、文章作成にかかる時間的コストを大幅に低減させられます。
気を付けなくてはいけないことは
ChatGPTは「これまでに学習したものをもとに文章・画像などを出力する」という仕組みです。
この一連の流れは、人間が過去に学んだことから文章などを作成する過程と似ています。
そのため、人間が間違いを起こすように、生成AIも間違いを起こすことがあります。
そもそもの学習セットが間違っているケースもありますし、生成の過程で誤った情報を混ぜ込んでしまうこともあります(ハルシネーション)。
ChatGPTが作り出した情報は、その正確性に疑問を持って活用することが求められます。
また、生成AIは学習元データを利用して生成を行うため、著作権や商標権を侵害したり、倫理観が欠落したりといった、問題のあるデータが生成されるリスクがあります。
かならず誰かの著作物ではないか、法律や倫理に反していないかをチェックしましょう。
同時に、自身の生成したテキストは、ChatGPTによってフィードバック学習されます。
機密情報を入力すると、誰かのAI出力に学習されたコンテンツの一部として出力されるリスクがあります。
情報漏えいには充分注意が必要です。
ビジネスで活用するならPlusがおすすめ
ChatGPTは、大規模言語モデルを利用した生成AIサービスです。
過去にリリースされたGPT-3.5に比べ言語モデル自体が進化して、生成の精度は飛躍的に向上しています。
有料プラン・ChatGPT Plusでは、アイディア出し、企画内容の改善、ビジネスメールの作成補佐、資料の翻訳・要約・分析など、ビジネスシーンで役立つ様々な使い方が可能です。
一方で、ハルシネーションや各種権利侵害、情報漏えい等のリスクもあります。
生成AIを正しく安全に使うことで、ビジネスの生産性を改善させましょう。