分かりやすい英語メールの書き方~基本構成から使える英語表現まで紹介~
「英語活用実態調査2019」によると、今後のビジネスパーソンにとって重要な知識やスキルとして、8割以上の企業・団体が「英語」を挙げています。
また、有名企業が英語を公用語としたり、外国人を積極的に採用したりするなど、会社における英語の重要性は年々高まってきています。
そのような中、予期せず、仕事で英語メールを書かなければいけなくなって焦った経験はありませんか?
突然、「英語でメールをして」と頼まれても、
「学生のとき英語は得意科目だったけど、実際に仕事で、英語のメールをやりとりするとなると不安だなあ・・・。」
「そもそも、英語メールってどう書くのかな?」
「『ご担当者様へ』って英語でなんて言うんだろう?」
と、頭を抱えるのではないでしょうか?
でも、英語メールの形や表現は決まっているので、基本の書き方や表現をおさえれば、簡単に英語でメールを書くことができます。
この記事では、英語メールの基本構成やポイント、メールに使える便利な英語表現を紹介します。
まずは、英語メールの基本構成からおさえましょう。
この記事の目次
英語メールの基本構成
英語メールは、下記の順番で書きます。
② 挨拶 (~して頂きありがとうございます。お元気でお過ごしのことと存じます。)
※「お世話になっております」は、英語メールでは一般的にあまり使われません。
③ 目的 (本日は~させて頂きたく、メールを致しました。)
④ 詳細 (弊社では、~を提供しております。御社とお取引させて頂ければと存じます。)
⑤ 依頼事項 (今週中に一度、面会のお時間を頂けると幸いです。)
⑥ 結びの挨拶 (お返事をお待ちしております。)
⑦ 結語
※英語メールには、「宜しくお願い致します。」という結びの挨拶はありません。必ず添えるという意味では、英語メールの結語は、日本語メールの結びによく使われる「宜しくお願い致します。」にあたります。
自己紹介のメール、お礼のメール、謝罪のメール、依頼のメールなど、内容によって少し異なる場合もありますが、どんな内容の英語メールであっても、たいていはこの構成に当てはめることができます。
ただし、相手への依頼事項は、「③目的」として書かれることがあります。
英語メールのポイント
わかりやすい英語メールを作成するために、3つのポイントをおさえましょう。
※△は不親切な文章、◎は分かりやすい文章の例です。
※△と◎の例は、同じ内容を表しています。
先に目的や結論を示す
Our customer said she wants to change her itinerary as soon as possible. So, I would like to know if it’s possible to reschedule her departure date earlier than the current schedule.
お客様が至急、旅程を変更したいとおっしゃっています。予定より出発日を早めることは可能かご教示ください。
Could you please push the departure date forward?
Because a customer wants to change her itinerary as soon as possible.
出発日を予定より早めて頂くことは可能でしょうか?至急、お客様が旅程を変更したいとのご希望です。
日本語と同じように、「○○して、□□して、~なので、……です」と、結果を後に持ってくる書き方をすると、英語では、回りくどく、読み手に不親切な文章になってしまいます。
△の例は、遠回りな文章表現のため、目的が曖昧になっているのに対し、◎の例では、読み手がより早く正確に、目的を理解することができます。
ですから、英語メールでは、導入の挨拶のあとすぐに、その目的が端的にまとめられていることが重要です。
英語で文章を書くときは、相手にわかりやすく伝えるために、常に、結論や目的を先に述べるように意識しましょう。
短く、簡潔に書く
Yesterday, I was talking with Ms. Suzuki about having a meeting with the product development team. And Hanako recommended that the marketing team should join, too. I think it is good for you to join.
昨日は、商品開発チームとのミーティングについて、鈴木さんと話し合っておりました。そこで、鈴木さんはマーケティングチームもミーティングに参加するべきではないかと言っていました。私もあなたがミーティングに参加した方が良いと思います。
I’m writing to ask if you could join our project meeting to discuss……
あなたにプロジェクトミーティングに参加して頂きたいのですが……
△の例は、一見、丁寧な印象を受けるかもしれませんが、「このメールで何を言いたいのか」が分かりづらくなっています。
このメールでは、相手に依頼をすることが重要な目的です。◎の例は、短く簡潔にその目的を伝えています。
いきなり目的を言ってしまうと、図々しく思われるのではないかと心配になるかもしれませんが、英語の場合、これぐらいシンプルに要件を伝えた方が、読み手に対して親切です。
「短く」の目安として、下記の2点を心掛けましょう。
1.ひとつのメールに対して、ひとつの話題を書く。
ビジネスメールでは、相手に無駄な時間を取らせないことと、読み落としが起こらないようにすることが重要です。
メールの件名で挙げた1つの話題について、手短に必要事項を伝えます。
伝えたいことが2件ある場合には、2つのメールに分けると良いでしょう。
2.メールの内容は、5文程度にする。
伝えたいことや依頼する内容にもよりますが、ビジネスメールの内容部分は、基本的に5文程度におさめることが望ましいです。
短く簡潔な文章で要件を伝えるようにすれば、自然に相手の返信も早くなります。また、自分自身も書くのが楽になるので、仕事が早く処理できるようになります。
丁寧に書く
先に、英語メールのポイントのひとつとして、「短く」を挙げました。しかし、短ければなんでもいいというわけではありません。
そこには、丁寧さが伴っていることが前提です。
I received your inquiry.
問い合わせを受けつけました。
Thank you for your inquiry.
お問い合わせ、ありがとうございます。
△の例は事実をそのまま言っているだけなのですが、失礼な言い方になっています。
◎の例のように、英語では感謝の表現をすることが丁寧さにつながります。
「Thank you for ~」という簡単な表現を使うだけで、読み手に与える印象を大きく変えることができます。
英語メールに使える表現
メール冒頭の「平素よりお世話なっております。」や結びの「宜しくお願い申し上げます。」などのように、日本語メールでよく使われる表現があります。
それと同様に、英語メールでも決まった表現があるので、一度書き方を覚えてしまえば、英語でも苦手意識をもたずに、メールを書くことができます。
次に、①宛先から⑦結語まで、項目ごとに使える表現を紹介します。
①宛先の書き方
相手の名前がわかっている場合は、「Dear」のあとに「Mr.かMs.+相手の名字」を続ける形が一般的です。
ただし、親しい相手であれば、「Dear」のあとに相手の名前を続けたり、「HiやHello」のあとに名前を続けて表現することがあります。
相手の性別がわからない場合や、複数の相手に送る場合は、「Dear Sir or Madam:(拝啓)」や「To whom it may concern:(関係各位)」を使います。また、「Dear+相手の役職名や部署名」で表すこともあります。
②挨拶の書き方
日本語メールの感覚だと、どうしても「お世話になっております。」の一文を入れたくなってしまいますが、英語メールでは、基本的に入れなくても問題はありません。
特に、仲のいい相手には、堅苦しい印象を与えてしまうので、使わない方が良いです。あえて英語で言うとしたら、下記の表現になります。
Thank you always for your support (continued) support.
Thank you for your patronage.
メール冒頭の簡単な挨拶は、基本の挨拶だけでなく、お詫びやお礼、自己紹介などメールの内容に合わせて表現を工夫する必要があります。
下記のリンクを参考に、相手やシチュエーションによって使い分けるようにすると良いでしょう。
③目的の書き方
The purpose of this e-mail is to ~.
I am writing this e-mail to you, because ~.
「~させて頂きたく、メールを致しました。」
~の部分には、様々な内容を続けることができます。この表現を使えば、たいていは、どのような目的もわかりやすく伝えることができます。特定の目的がある場合は、下記の表現を使っても良いでしょう。
下記のような表現を使うことによって、相手は、より早くメールの内容を把握することができます。
We are happy/sorry to inform you that ~.
「~を嬉しく思います」/「大変申し訳ございませんが、~をお伝え致します。」
良いニュースまたは、悪いニュースを知らせたいときに使います。
This is to confirm that ~.
「~についてのご確認です。」
「This is to confirm that the deadline for the project report is June 10th. (プロジェクトレポートの締め切りは6月10日です)」のように、提出書類の締め切りなど、重要な確認事項を伝えるときに使う表現です。
④詳細の書き方
④詳細には、特に決まった表現はありません。
ですが、簡潔な文章を作ったり、短くまとめたりするのが難しいこともあると思います。そのようなときは、箇条書きにしましょう。
内容を、すっきり、わかりやすく伝えることができます。
⑤依頼事項の書き方
相手へお願いするとき、真っ先に「Please~.」という表現を思い浮かべると思います。
「Please ~.」という書き方をしてもいいのですが、相手が何かを強要されているように感じる場合もありますので、目上の人や初めての人などにはあまり使わない方が良いでしょう。
Could you please ~?
Do you mind ~ing?
「~してくださいませんか。」
I would appreciate it if you could/would~.
「~していただけるとありがたいのですが……」
などの表現を使うほうが好ましいです。
下記のリンクで、丁寧な依頼の表現をいくつか紹介しているので、ぜひ使ってみてください。
⑥結びの挨拶の書き方
I am looking forward to hearing from you.
I look forward to your reply.
「お返事をお待ちしております。」
相手から返事をもらうことを想定しているときは、基本的にこの一文があれば十分です。相手から早く返事をもらいたい場合は、文末に、「soon」をつけましょう。
If you need further information, please feel free to contact us.
If you have any questions or concerns, don’t hesitate to let me know.
「ご不明な点ございましたら、お気軽にご連絡ください。」
また、日本語メールと同じように、「何かございましたら、お気軽にご連絡ください」という一文をつけると、相手に親切な印象を与えることもできます。
⑦結語の書き方
英語メールの最後には、忘れずに結語を添えましょう。
結語には、下記の表現を使います。
Best regards,
Sincerely,
Sincerely yours,
Faithfully yours,
Thanks,
親しい相手であれば、「Have a great day,(良い一日を)」や「Bye for now(またね)」といったカジュアルな表現を使うのも良いです。
様々な表現があるので、相手によって適切な結語を使い分けましょう。基本的には、結語のあとに、署名が続きます。
親しい相手や、やり取りをしたことがある相手の場合は、連絡先などの情報は省略しても大丈夫です。その場合、結語のあとに名前を添えてメールを書き終えます。
英語メールのフォーマット
② I hope this email find you well.
My name is Taro Yamada from XXX Company. (挨拶)
③ I am writing this email to you today, because~. (目的)
④ I heard from Mr. △△ that …….
We do provide ~, so I think we can do business together. (詳細)
⑤ I would like to see you in person and tell you more about our service.
Could you please let me know when you have time for a meeting this week?
(相手への依頼事項)
⑥ I look forward hearing from you. (結びの挨拶)
⑦ Best regards, (結語)
Taro Yamada
Director
XXX Company
abc123@gmail.com
+81 YYYY-YY-YYY (署名)
≪日本語訳≫
①〇〇(名字)様
※「御中」の場合、「Mr.」または「Ms.」は不要です。
②お元気でお過ごしのことと存じます。
私はXXX社の山田太郎と申します。
③本日は、~をさせて頂きたく、メールを致しました。
④△△様より……とお伺い致しました。
弊社では、~を提供しておりますので、御社とお取引させて頂ければと存じます。
⑤つきましては、弊社のサービス内容について、直接お会いして詳しくご説明させて頂きたく存じます。今週中に一度、面会のお時間を頂けると幸いです。
⑥お返事をお待ちしております。
⑦(結語)
名前
役職名
会社名
メールアドレス
電話番号
※相手が海外にいる場合、+81(日本の国番号)のように、国番号を先に書くと親切です。
まとめ
今回は、わかりやすい英語メールの書き方を紹介しました。
英語メールは、①宛名、②挨拶、③目的、④詳細、⑤相手への依頼事項、⑥結びの挨拶、⑦結語の7つの要素で構成されます。
メールの内容によって、少し構成を変える場合もありますが、たいていはこの基本構成を守って書いていれば英語メールとしては問題ないです。
そして、分かりやすい英語メールを作成するためには、1.先に目的や結論を示す、2.短く、簡潔に書く、3.丁寧に書くの3つのポイントをおさえましょう。
特に、英語で文章を書くときは、常に「1.先に目的や結論を示す」を心がけることが大切です。
また、メールの①宛名から⑦結語の項目ごとに、使える英語表現をまとめています。
ぜひ活用してみてください。
これを機に、英語メールの基本の書き方や表現を覚えて、英語メールに対する苦手意識を払しょくしてみては、いかがでしょうか。
次回の記事:英語プレゼンのフレーズをマスターしよう!
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